[カイロ 7日 ロイター] ムバラク大統領への退陣要求デモが続くエジプトで7日、大統領が任命した新内閣が全閣僚出席のもと初閣議を行った。
政府は週末、ムスリム同胞団など野党勢力と事態打開に向け協議を行ったが、具体的な成果はまだみられていない。
タハリール広場には、今もムバラク大統領の即時退陣を求めるデモ隊が占拠しているが、7日朝には軍がデモ隊の占拠区域を縮小しようと押しかけ、デモ隊が即座に兵士を囲み押し返すやり取りが発生した。
デモ隊の1人がロイターの電話取材に応じたところによると、軍、デモ隊ともに落ち着きを失ってきており「軍は広場近辺の交通正常化に向け、デモ隊を広場の中心に押しやろうとしている」と述べた。
エジプト政府は事態正常化を急いでおり、1週間閉鎖となっていた銀行は営業を再開し、多くの人が列をなした。また夜間の外出禁止令も午後8時─翌朝午前6時に短縮された。
ただ銀行の営業時間や引き出しは制限されており、エジプト証券取引所も13日まで閉鎖となっている。
為替市場では再開後2日の取引となる7日、エジプトポンドが6年ぶり安値をつけたが、下げ幅は限定的となった。国営銀行がドル売りを行っているもよう。
ある銀行のトレーダーは「状況は安定している。良いとは言えないが、急落はしていない」と述べた。
またエジプト中銀は、投資家の需要が目標額に達しない可能性があるとの懸念から、国債入札の規模を縮小した。
一方、クリントン米国務長官はエジプト政策について、慎重に計画されるべき民主的な未来の可能性に向けた「兆しが見える」と述べ、ムバラク大統領に対する退陣要求圧力を和らげた可能性を示唆した。