<ソシエテジェネラルアセットマネジメント・チーフエコノミスト 吉野晶雄氏>
需給面で陰の極にあるとみている。45日前告知ルールのヘッジファンドが2月末の解約を控えて、キャッシュ化を急いでいる。鉄鋼、海運などパフォーマンスの悪い銘柄を損切りしている。日本株はパフォーマンスが悪いこと自体が売り材料だ。ファンドマネージャーにとって上昇していない市場のポジションを落とすことは言い訳がしやすい。
しかし、経済実態からは説明の付きにくい水準であり、ここからの下落余地は大きくないだろう。日本の生産や消費活動が落ち込んでいるわけではない。確かに円高、コスト高が懸念されるが、上場企業の予想PERは14倍台とすでに減益を織り込んだ水準まで低下している。10―12月期決算である程度の下方修正が出ても株価が大きく反応することはなさそうだ。むしろ新興市場向けに伸びている企業などは再評価されるだろう。
(東京 15日 ロイター)