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〔クロスマーケットアイ〕米小幅利下げなら株急落/ドル105円割れの声、サブプライム捜査が波乱

<東京市場 30日>

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日経平均   |国債先物3月限 | 国債289回債  |ドル/円(13:30) |

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  13494.57円 | 137.43円  |  1.460%    | 106.75/79円 |

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+15.71円 | -0.07円   | -0.005%  | 107.07/11円   |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 30日 ロイター] 30日の東京市場は方向感なく推移。日本時間の31日

未明に明らかになる米国の金融政策次第では株式・金融市場が大きく振れかねない、との

警戒感が広がっている。利下げ幅が0.25%にとどまった場合、株価急落/長期金利の

急低下とともに、ドル/円相場が直近安値の104.95円を一気に抜けるとの観測も浮

上している。米連邦捜査局(FBI)がサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住

宅ローン)問題に関連して捜査に乗り出したことも、様子見気分に拍車をかけている。捜

査の進展次第では短期的には金融市場全体に大きなショックをもたらす可能性がある。

 <株先売りに限界>

 株式市場ではやや売り物が優勢。寄り前に発表された12月鉱工業生産が事前予測を下

回ったうえ、基調判断が下方修正されたことで、朝方は売りが先行。一時は150円超の

下げ幅となったものの、前場中ごろにかけてプラスに転じた。午後になって米利下げをめ

ぐる思惑から株式先物に仕掛け的な売りが持ち込まれたものの、追随売りは限られてい

る。

 「CTA(商品投資顧問)系のヘッジファンドが先物に売りを仕掛けたが、下値の堅さ

を感じて買い戻している。短期資金以外に動ける投資主体は少ない。企業決算、米金融政

策などのイベントを控えて実需筋の動きは鈍く相場の方向感は出ない」(外資系証券売買

担当者)という。

 <円債市場も気迷い>

 円債市場でも大きなフローは出ていない。前日の米債安を受けて安寄りした後は、日経

平均株価がマイナス圏に軟化するなど、国内株価が上値を重くしたことで買い戻しが入り

反発した。12月鉱工業生産で景気先行きに対する不透明感を強めたことも買い材料視さ

れた。

 三菱UFJ証券・シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は「緩やかな増勢を保って

きた生産もピークアウトしてきた印象だ。今後、日銀が4月公表の展望リポートで、生産

・所得・支出の好循環という基本シナリオを下方修正する可能性も出てくるのではない

か」とみている。

 現物市場では中短期ゾーンが軟調に推移する一方、長期・超長期ゾーンがしっかり。イ

ールドカーブ(利回り曲線)はフラット(平坦化)化した。月末を控えて年金などから年

限長期化に伴う買いが長期・超長期ゾーンに入りやすかったが、中短期ゾーンには国内勢

などの利益確定売りが先行した。

 <0.25%利下げでは株/ドルの連鎖安も>

 市場が注目する今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに関しては、「マ

ーケットでは利下げ幅を0.5%と決めうちしていたが、ここにきて米短期金利先物が示

すように0.25%の可能性もあり得るとの見方に傾いている。株価が上昇し市場がやや

落ち着いたことで0.5%利下げする必要性が薄らいでいるからだ。このため(株式の)

買い方の手も緩んでいる」(三菱UFJ証券投資情報部長の藤戸則弘氏)との声が出てい

る。

 円債市場でもFOMC後の米国市場動向によっては「最近の株買い/債券売りに大きな

変化も予想される」(邦銀)として、ポジションを一方向に傾けにくい」(同)との声が

出ている。

 JPモルガン・チェース銀行では米利下げ幅と市場の反応について分析。利下げ幅が

0.25%にとどまった場合、株式市場にとってネガティブ・サプライズとなり、株価の

大幅下落・長期金利低下につながり、リスク回避姿勢の高まりを受けた円高と、米長期金

利低下を受けたドル安によって、ドル/円相場は比較的大幅に下落する可能性が高く前回

安値を一気に更新する可能性もある、とのシナリオを示した。

 <サブプライムに捜査のメス、リスク投資に制限か>

 この日、市場で話題になったのが米当局によるサブプライム関連捜査だ。FBIが米証

券取引委員会(SEC)と共同で会計詐欺やインサイダー取引などの疑いでデベロッパー

住宅ローン会社、ローンの証券化業者、ローンを保有する投資銀行など14社に対して

捜査に着手した。

 民事もしくは刑事訴追につながる可能性が出ている。金融・住宅業界に捜査のメスが入

ったことで、今後の捜査の進展次第では、米金融政策以上の影響が出てくるのは間違いな

い、と受け止められた。

 大和総研・債券ストラテジストの奥原健夫氏は一般論と前置きしたうえで「当局の捜査

中にポジションを大きく動かすわけにはいかず、株式をはじめとするリスク資産への投資

が手控えられる可能性がある。さらに、社内・社外でリスク管理の強化が打ち出されて株

式投資の需要減退につながりやすい。株式市場にとってネガティブな要因として働きやす

い」と指摘する。

 「捜査の進展によっては、これまでポジションを軽くしてきた外資系ディーラーがさら

に制約を受ける可能性がある」(国内金融機関)との声も聞かれる。

 また、ある邦銀の債券担当者は「強制捜査が入ったエンロン問題を連想させる。リスク

資産投資が萎縮するのではないか」と話し、別の邦銀筋は、より捜査権限のあるFBIが

動き出したことで逮捕者が出ることも考えられるとし、「場合によっては金融機関に公的

資金をつぎ込むための布石とも思える」という。

 興銀第一ライフ・アセットマネジメント、シニアポートフォリオマネジャーの宮田康弘

氏は「会計詐欺などの犯罪に発展する可能性からイニシャル・ショックはある一方で、早

く問題を処理させようという米国の姿勢が現れており、逆にアク抜け感が出て結果として

プラスに作用する」とみている。

 ただ「金融機関などの信用度の低下につながる可能性もあるが、それで収益が一段悪化

したとしても、米国の国民性を考えれば救済的な公的資金注入にはつながりにくい」(準

大手証券関係者)との声もあるなど、不透明感が一段と広がる可能性が出ている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者  編集 宮崎 大)

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