for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

再送:インタビュー:日本に新興株式市場は一つでいい=JPモルガン・アセット 太田氏

*以下の記事は27日に送信しました。

 伊賀 大記記者

 [東京 27日 ロイター] JPモルガン・アセット・マネジメントで中小型株式運用チームを率いる太田忠シニア・ポートフォリオ・マネージャーは日本の新興株式市場を統一すべきだと提言する。成長が期待できない企業が多く流動性も乏しい札証アンビシャス、名証セントレックス、福岡Q─Boardは廃止し、ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスを統一。新規公開(IPO)と退出の統一された基準を作り、年間20社程度の優良な企業だけにIPOを絞らなければ失われた信頼は取り戻せないと警告する。27日、ロイターのインタビューに答えた。

 ──今年に入ってIPOは公開価格割れが続いている。

 「初値が公開価格を割れたかどうかに大きな意味はない。公開価格とのかい離率が大きいからといって大成功だったり大失敗だというが疑問だ。公募に当たった人は関心があるかもしれないが、投資家にとって意味はない。これまでのIPOの価格形成は最初に実態の伴わない高い株価が付いて、そのあと長期にわたり株価が下落するというのが一般的だ。公開価格割れが続いたことで、宝くじ的な感覚で買う人が慎重になるならいいことだろう」

 ──IPO人気が落ちているということではないのか。

 「最近のIPO企業の実力からみれば、まともな株価形成といえるのではないか。パブリックな市場に株式を公開する資格のある企業が少ないのではないかという問題提起がされているにもかかわらず、利益も将来もないような企業が昨年もたくさん出てきた。今年IPOの数が少なくなったとしても、パブリック企業の資格がないような企業を無理やり公開させるよりはいい」

 「ここ数年、年間のIPO企業は200社近いが、そのうち投資できる企業はせいぜい20社程度だ。問題のある企業が株式公開されて、その後株価が急落することで多くの投資家は損を受けてきた。きちんとした企業が年間20社程度出てくれれば十分だ」

 ──問題ある企業のIPOを排除するためにはどうすればいいか。

 「札証アンビシャス、名証セントレックス、福岡Q─Boardは即刻廃止すべきだ。実力がないのに創業者利益だけを追求する企業、IPOの実績を積みたい証券会社、IPO企業の数を競う新興市場、これらが一体となってパブリック企業たる資格がないような企業を公開させている」

 「ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスもひとつに統一されていい。普通、競争することでレベルは上がっていくが、この3市場は競争することでレベルの低い企業を株式公開させるようになってしまった。IPO企業の数だけを競う弊害だろう。ひとつの市場に統一し、IPO基準もひとつにすべきだろう」

 「市場からの退場ルールも整備すべきだ。赤字であっても成長性のある企業の資金調達需要は確かにあるが、成長すれば東証などに卒業していけばいい。新興株式市場に何年も落第のまま残っているのは、成長の見込みがもうない企業だ。退出ルールを厳しくしないと市場は沈滞化していく」

 「ジャスダックが新たな市場として作ったNEOにも問題がある。赤字でも技術があればIPOが資金調達の道を開くというのがNEOのコンセプトであったはずなのに、売り物の技術評価委員会の評価をIPO企業が受けていない。さらに第一号銘柄となったユビキタス3858.Qは任天堂7974.OS向けに販売実績がある企業だった。しっかり利益の出ている企業ならばジャスダック市場で公開すればいいのであって、NEOで公開する意味がまったくわからない」

 ──既存株主の権利を失わせるような株式併合や第三者割当増資を行う企業もある。

 「本来なら、そういう発表をすること自体を取引所が中止させるべきだ。現在は、注意すべき企業があるとの警告だけだが、明らかにパブリックな企業がやってはいけないような増資は株主の合意なしに実施させてはならないはずだ」

 ──新興株式市場の低迷の原因は業績成長への不信があるのか。

 「中小型株への投資基準は業績がきちんと伸びていくかだ。長期的に見れば株価と利益成長は連動する。だが、現在は小型株市場が低迷しており、業績が伸びている企業も株価が下がっている。長期的には修正があるとみているが、現時点ではいい企業に投資しても報われないケースが多い」

 「期初の業績予想から下方修正する企業が多いのも株価低迷のひとつの原因だ。全体的には新興企業の利益は伸びているが、下方修正することで株が売りたたかれる。業績下方修正は世界経済の減速などが原因ではない。原油価格高騰や為替の変動など新興企業には大きな影響ではない。問題は経営者の戦略のまずさだ。株価を上げたいために無理な成長路線を取る企業が多い。だめなM&Aや過度な人員の採用など身の丈以上の拡大戦略をとったために痛手を負うことになっている」

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up