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WRAPUP1: 迷走日銀人事が「白川新総裁」で決着、渡辺氏「不同意」で副総裁は当面空席に

*白川総裁や福田首相、小沢民主党代表などの発言を追加し再構成しました。

 [東京 9日 ロイター] 政府は9日夕、新たな日銀総裁に副総裁を務めていた白川方明氏を任命した。これにより約3週間もの空席期間が生じるなど「ねじれ国会」の中で迷走を極めた日銀総裁人事がようやく決着した。同日夕、就任会見臨んだ白川新総裁は「全身全霊をあげて取り組みたい」と決意を語った。一方、政府が副総裁候補として提示した前財務官の渡辺博史・一橋大大学院教授は同日の国会で不同意となり、2人の副総裁のうち1人が当面空席となる「異常」(福田康夫首相)な日銀新体制が続くことになる。

 衆参両院は9日の本会議で、日銀総裁に白川方明副総裁(総裁代行)を昇格させる政府案を賛成多数で可決、同意した。これを受けて政府は、同日夕に白川氏を30代日銀総裁に任命。11日にワシントンで開催される7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に日銀総裁として出席し、代理出席という国際的な失態は回避されることとなった。

 白川新総裁の任期は5年、世界経済の先行きに不透明感が広がる中、金融政策の難しいかじ取りを担うことになる。午後7時半からの就任会見に臨んだ白川総裁は「自分の職業人としての誠実さを疑われないよう、自分のポジションに責任をもって務めたい」とし、金融政策運営について、今後の情勢や経済指標を分析し適切に政策判断を行っていく方針を示した。

 <与党内からは日銀法改正議論も>

 一方、渡辺副総裁案は参院本会議で賛成115票・反対121票となり、不同意が決まった。福田首相は同日夕、空席となる副総裁の人事について「どの人を出してもケチをつけるのではどうしようもない」とあきらめにも近い感想をもらし、新候補の提示は「そう簡単に決まるものではない」と当面、空席状態が続かざるを得ないとの考えを示した。

 ねじれ国会の中で、政府案が3度にわたって不同意となった事態に対し、自民党からは「権力の乱用、参院無用論につながる」(佐藤昭郎・参院筆頭副幹事長)など厳しい批判が相次いだ。党内からは日銀法を改正し、国会同意人事の手続きに衆院の優越規定を持ち込むべきだとの案も浮上している。

 与党を勢いづかせているのは、最終局面で民主党の山岡賢次国対委員長が渡辺氏に対し、政府案提示前に電話して間接的に辞退を促したとされる問題。鳩山由紀夫民主党幹事長も8日記者団に「留守電に(辞退すべきだと)吹き込んだことを私は確認していないが、実態としてあったのではないかと思っている」と述べている。与党内では人事への政治介入との反発は強まる一方で、衆参の議院運営委員長は9日、近く両院議院運営委員会で真相究明を行うことで合意した。

 <波紋は民主党にも>

 これに対して「天下り禁止」を原則に掲げて渡辺副総裁候補案に不同意とした民主党では、小沢一郎代表が午後の福田首相との党首討論で「現在の日本のシステムは、総裁・副総裁に必ず財務省(出身者)が入る、そういう既得権益があるからよろしくないと言っている。日銀の副総裁に他省庁出身で適任者がいれば、その人をもってくるのか」とあらためて日銀は財務省の天下り先になっていると批判した。

 もっとも民主党では、党内の多数が渡辺副総裁案に賛成の意向を示していたにもかかわらず、小沢一郎代表ら執行部によるトップダウンで決定がくだされたことに不満がくすぶっている。

 今回の日銀人事に対する方針について党議拘束をかけたこともあり、参院から渡辺氏賛成に回る造反は3人にとどまったが、前原誠司・副代表は衆院での採決後に「党内の大半が渡辺副総裁いいじゃないかという状況の中で最終的に反対に決まったことについて、相当不満がたまっていると思う」と指摘。同意人事について「議論をしっかりやり直して、『人物本位』を確立していかなければならない」と語った。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子 伊藤 純夫;編集 田巻 一彦)

※(yuko.yoshikawa@reuters.com;03-6441-1838;ロイターメッセージング:

yuko.yoshikawa.reuters.com@reuters.net)

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