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インタビュー: 国際競争力強化に政治との連携不可欠、民主との対話深める=日本経団連・大橋氏

 [東京 12日 ロイター] 日本経済団体連合会(日本経団連)の評議員会副議長で政治対策委員会委員長である大橋光夫氏(昭和電工取締役会長)は5日、ロイターとのインタビューに応じ、企業の国際競争が激しさを増すなか、法人実効税率の引き下げなど制度改革に対する政治のリーダーシップに期待を表明するとともに、内需拡大に向けた格差解消や社会保障制度の見直しなどでも政治や行政との連携が必要と強調した。

 また、9月までに行われる総選挙を控え、各種世論調査で民主党の支持率が上昇するなど政権交代も視野に入りつつある中で、民主党との対話を深めていく考えを示した。インタビューの詳細は以下の通り。

 ──経済界が政治に期待することは。

 「90年代以降、(日本経済が)欧米並みにキャッチアップしてきたことで、国内競争よりも、海外との競争のウェートが非常に大きくなった。そうなると政治の力を借りて税制など制度上の改革を進めていかないと日本経済の成長が鈍化してしまう、あるいは止まってしまう。政治と経済が車の両輪として進んでいく重要性が高まっている」

 「国内問題として、内需がある程度成熟した中で、どうしても欲しいもの、買いたいものがない人がいる一方、そういうものを買えない人がいる。格差を是正することで、内需を拡大することが必要だ。また、年金など社会保障を抜本的に見直し、将来への不安感・閉塞感をなくしていくことで消費を拡大していくことも必要。これも政治や行政とのタイアップが必要になってくる」

 ──各種の世論調査をみると政権交代の現実味が増してきているように見えるが、民主党との付き合い方を変えていく必要性を感じているか。

 「世論調査で民主党が支持率を高め、自民党が支持率を低下させているのであれば、民主党が政権とることもあり得る。われわれは日本経済全体を持続的に成長させるために活動しており、そのために、民主党へのアプローチの仕方が変わるのはむしろ自然だ」

 ──どのように変わるのか。

 「対話を増やすことに尽きる。それ以外に特別な手法があるわけではない」

 ──2008年の民主党の政策評価は低かったが、現状をどうみるか。

 「民主党は政権与党ではないので、政策を実現していく立場になく、非常に評価は難しい。どうしても政権与党の自民党への評価が高くなることはやむを得ない。昨年から選挙がいつあるかわからない状況の中で、民主党は選挙に勝つための一時的な政策を打ち出してきた感じがあり、民主党の評価は低かった。次の評価時期は秋なので、今は十分な議論をしていないが、政権が近づいたから評価を高めるなど意図的なことはしない。あくまで経団連としては日本の持続的成長のため重点的に実施してほしい政策を提言し、客観的な評価をしているだけだ」

 「個人的な考え方だが、民主党も、政権与党になれば、やはりそれにふさわしい政策に変わっていくはずだ」

 ──民主党が政権与党になった場合、長期的に変えるべき政策とは何か。

 「 わかりやすい例は消費税。社会保障につながっている問題であり、国際的にもこれほど消費税の低い国は例外的。一方で、法人税は実効税率で40%と非常に高い。われわれが一番大事だと思っているのは国際競争力。これが相対的に失われると日本経済は沈没してしまう。格差は小さければいいに決まっているので、格差是正に経済界としても努力するが、われわれが一番努力しなくてはいけないのは、日本経済が持続的に成長できるようにすること。繰り返しになるが、大事なのは国際競争力をいかに強化するか。それが基本であり、そのための政策は、どこが政権をとってもやってほしい」

 ──自民党との関係も変わってくるのか。

 「自民党は、50年以上政権与党として日本の政治を任されてきた。いろいろな考え方をもった政治家がいるだろうが、基本的には責任政党としての自覚があったと思う。自民党に対する今後の接し方が変わるということはない。関係維持は大切だ」

 *インタビューは5日に行いました。

 <インタビュアー:西川洋子記者>

(sumio.ito@thomsonreuters.com; 03‐6441‐1832; ロイターメッセージング:sumio.ito.reuters.com@reuters.net)

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