*この記事は23日に配信しました。
[東京 23日 ロイター] ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、9月
鉱工業生産指数の予測中央値は前月比1.0%の上昇となった。自動車などを中心に7カ
月連続の上昇となる見通し。ただ、先行指標となる大口電力需要やアジア諸国の生産増勢
などからみて、上昇率は8月よりさらに鈍化する見通し。前年比では19.3%低下の見
通し。発表は29日午前8時50分。
生産の増勢は4月をピークに徐々に鈍化傾向にある。9月は経済産業省発表の予測調査
の段階で前月比1.1%上昇に鈍化する見通しだったので、調査機関の見通しもほぼそれ
に近いものとなっている。「内外の在庫調整進展を主因とした生産持ち直しの局面は終わ
りつつある。今後は内外の最終需要の回復が増産を維持するための条件となる」(ニッセ
イ基礎研)とみられている。
9月の生産基調については「アジア向け輸出が回復している電子部品や在庫積み増し局
面に入った自動車をけん引役に生産の回復基調が続く見通し」(信金中金総研)となって
いるが、大口電力需要の伸び率鈍化や、韓国や台湾での生産が8月に鈍化していることな
どが増勢の鈍化見通しの背景。
先行きについては「円高などで輸出の回復鈍化が見られるようになれば、生産もこれと
連動する可能性が高い」(大和総研)との指摘も出ている。
各社の予想は以下の通り。
前月比 前年比 (%)
中央値 1.0 -19.3
最大値 1.8 -15.3
最小値 0.4 -19.8
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機関名 予測者名 (敬称略)
モルガン・スタンレー 佐藤健裕 0.4 -19.8
カリヨン証券 松永芽里 0.5 -19.7
ドイツ証券 安達誠司 0.5 n/a
ニッセイ基礎研 斎藤太郎 0.6 -19.6
バークレイズ・キャピタル 森田京平 0.6 -19.6
三井住友アセットマネジメント 宅森昭吉 0.6 -19.6
シティグループ証券 劔崎仁 0.6 -19.6
HSBC証券 白石誠司 0.6 -15.3
三菱UFJ・R&C 尾畠未輝 0.7 -19.5
日本総研 枩村秀樹 0.7 -19.5
農林中金総研 南武志 0.8 -19.5
三菱UFJ証券 澤野哲郎 0.8 -19.5
信金中金総研 角田匠 0.8 -19.5
第一生命経済研 齋藤俊輔 0.8 -19.4
大和SMBC 野口麻衣子 0.8 -19.3
BNPパリバ 白石洋 0.8 -19.2
新光総研 宮川憲央 0.9 -19.2
野村証券金融経済研 木内 登英 1.0 -19.3
RBS証券 西岡純子 1.0 -19.1
IFRマーケッツ George Worthington 1.0 -18.2
インフォーマ・ジャパン 荒田健児 1.1 -19.2
クレディ・スイス -- 1.1 n/a
バンクオブアメリカ証券
─メリルリンチ 吉川雅幸 1.1 n/a
三菱総研 対木さおり 1.2 -19.13
三菱東京UFJ銀行 高山真 1.2 -18.9
岡三証券 嶋野徹 1.2 n/a
大和住銀投信投資顧問 柿沼点 1.3 -19
大和総研 熊谷亮丸 1.3 -18
マネックス証券 村上尚己 1.4 n/a
みずほ証券 清水康和 1.5 -18.9
JPモルガン 中村美和子 1.5 -18.9
伊藤忠商事 丸山義正 1.5 -18.8
みずほ総研 松本惇 1.6 -18.8
ゴールドマン・サックス 李智雄 1.8 n/a
(ロイターニュース 中川 泉記者)
(izumi.nakagawa@thomsonreuters.com;03-6441-1834;ロイターメッセージング
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