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再送:〔ファンドビュー〕米経済のデフレ・二番底リスク、確率は25%=ピムコCIO

*この記事は5日午後6時41分に配信しました。

 大林 優香記者

 [東京 5日 ロイター] 米債券運用大手パシフィック・インベストメント・ マネジメント・カンパニー(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)兼共同最高投資責任者(Co─CIO)は「米経済がデフレや二番底に陥るリスクシナリオは考えられる。その確率は25%だ」と語った。日本のデフレ脱却については「手遅れではないが、他国のデフレリスクが高まれば脱却はさらに困難になる」と述べ、今後もデフレが継続するとの見方を示した。5日の記者会見で語った。

 <構造変化でリスクもチャンスも増える>

 PIMCOは6月末現在1.11兆ドル(約96兆円)の資産を運用する大手運用会社で、エラリアン氏はビル・グロース氏と共同で運用を統括している。

 4日の国内債券市場では、長期金利の指標である10年物国債利回りが一時0.995%まで低下し、約7年ぶりに1%を割り込んだ。この動きについてエラリアン氏は「日本だけでなく世界の先進国の金利が低下している。レバレッジの解消、脱国際化、規制強化が進んだ結果、先進国の成長が止まり、ディスインフレーションになるという構造的変化を市場関係者が認識したためだ」と語った。

 同氏は、構造的変化が先進国だけでなく新興国でも進んでおり、「先進国から新興国の一部に成長と富が移行するなど、国レベルと世界レベルで大掛かりな再編成が起きている。これまでは考えられなかったさまざまなことが現実となるため、投資についても、リスクも高まるが新しいチャンスも増える」と語った。

 市場が注目する米国経済については「公的部門の債務が膨らむ半面、民間部門の負債は縮小している。失業率は今後も高止まりする見通しで、構造的問題になりつつある。2、3カ月前は、4%近くだった米長期金利が5%に向かうと思われていたが、今は2.95%前後に低下した」と述べ、デフレや二番底に向かうリスクは「メインシナリオではないが、確率は25%ある」と語った。

 一方、長期にデフレが続く日本については「脱却するのに手遅れではないが年々難しくなっている」と指摘。脱却には「国内経済の大幅な構造改革、中国からの外需ショック、大きな危機の3つが考えられるが、どれも今後1年間に起きる可能性は低い」とし、デフレは継続するとの見方を示した。日本を含む先進国の公的債務が拡大しているリスクについては、「日米は相対的に調整の時間に猶予があるが、先進国の中で時間切れになったところはある。ギリシャがいい例だ」と語った。

 <米政府債への投資を拡大>

 PIMCOの公表データによると、同社の旗艦ファンドで世界最大の債券ファンドである「トータル・リターン・ファンド」(6月末純資産残高2339億ドル)は、ここ数カ月間で米政府債への投資を拡大している。特に欧州債務問題の波及懸念で米市場の変動が激しかった5月は米政府債のウエート(時価ベース)を4月末の36%から51%まで増やし、さらに6月末までに63%まで引き上げている。

 エラリアン氏は「4─6月期に米政府債の積極的な買い手だったのは事実」としたうえで、「米国経済がV字回復するとの甘い期待が消え、市場が世界の構造変化を認識したことで、米金利が低下し、債券価格は上昇するとみたほか、ポートフォリオ全体のリスクを圧縮したことが背景」と述べた。このほか「新興国のいくつかの国は一部の先進国より信用力が高まっているため、新興国の配分を引き上げた」と語った。

 世界の債券投資における日本の債券の位置付けについては「投資対象として魅力的な要素もあるが、他の地域でもっと魅力的なところがある」と述べた。 

 (換算レートは1ドル=86.31円)

 (ロイター日本語ニュース)

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