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〔兜町ウォッチャー〕上期は33業種のうち食料品など7業種が上昇、外需減退で内需株シフト顕著に

 東証1部33業種の株価指数で2011年度上期(4月1日―9月30日)に上昇したのは食料品や水産・農林など7業種にとどまったことがロイターの調査でわかった。逆に石油・石炭や海運など26業種が下落。欧州財政危機や米経済の減速で外需が落ち込んでいることから、内需株にシフトする動きが顕著になった。ただ、今後国内で増税路線が強まり内需株買いさえも収縮すれば、日経平均株価.N225は8000円を割り込む展開も予想されている。

 東証1部33業種の株価指数で、3月31日終値を上回ったのは、ゴム製品(上昇率3.3%)、小売り(同8.1%)、サービス(同6.2%)、陸運(同4.7%)、水産・農林(同13.2%)、パルプ・紙(同8.7%)、食料品(同8.8%)の内需株と位置づけられる7業種。欧米発の不安が高まった8月以降、内需株選好の動きが鮮明にとなった。個別銘柄では、8月以降に選好されたグリー3632.T(同70.5%)が目立った。

 逆に下落が目立った業種は石油・石炭(下落率22.0%)、海運(同36.8%)、その他製品(同31.5%)、非鉄金属(同25.9%)、鉱業(同24.3%)、鉄鋼(同22.4%)、電機(同20.9%)など。いずれも外需に依存するセクターだ。

 また、内需株のなかでも下落したセクターもある。電気・ガス(下落率18.6%)は福島原子力発電所の事故で大きく売られた東京電力9501.Tの48.5%の下げが大きい。さらに、震災で多額の保険料の支払いが見込まれた保険(同20.8%)、欧州の金融システム懸念を背景とした銀行(同7.7%)、薄商いの影響を受けた証券(同30.2%)と金融株の低迷ぶりが目立った。

 ソシエテ・ジェネラル証券グローバル・エクイティ部長の久保昌弘氏は、下期の見通しについて「先進国の景気は崖っぷちで、金融機関のクレジットの悪化に見られるように先行きに懸念がある」と指摘する。一方で、新興国のインフレを抑えることができれば海外需要の回復も期待できるが、インフレ抑制ができるかは依然不透明だ。

 また、日本株は外需低迷のなか内需株シフトの動きが顕著となっているが、野田佳彦首相が増税路線を進めれば内需株も買いづらくなってくる。久保氏は「復興需要を見込んだ具体的な政策も明確に見えてきていないのが気がかりだ」とし、下期の日経平均を7800円―9200円のレンジと予想する。邦銀系の株式トレーダーも「マクロ景気が劇的に改善することは考えにくい」とし、戻り局面でも日経平均が1万円を上抜ける展開は想定していないという。

 9月期末の日経平均は8700円29銭で3月31日終値を10.8%下回った。東日本大震災の影響で円高が速いペースで進み、5月までもみあった後、6月からいったんは上昇基調となり7月8日には震災後高値1万0207円91銭を付けた。しかし、米債務上限問題や米国債格下げ、ギリシャをはじめとする欧州財政危機といった欧米発の懸念が強まって8月1日以降は下落傾向に転じた。9月に入って下落のペースは鈍ったが、安値圏でさえない値動きが続いている。

 (東京 30日 ロイター)

 (ロイターニュース 吉池 威 編集:伊賀大記)

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