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WRUPUP1: オリンパス<7733.T>、米助言会社の起用など認める 投資家は依然として不信感

 [東京 27日 ロイター] オリンパス7733.Tは27日、緊急会見を開き、英医療機器メーカーのジャイラス社買収で「Axesアメリカ」に助言を求めていたことなど、過去のM&A(買収・合併)について、前社長のマイケル・ウッドフォード氏が解任後に明らかにした事実の一部を認めた。これを受け、大幅な下落が続いていた同社株価は前日比で20%を超す上昇となったが、同社のM&A資金をめぐる不透明感が払しょくされたとは言えず、市場には「信頼回復にはつながらない」との厳しい見方が多い。

 <佐川氏と2004年ごろから付き合い>

 オリンパスによると、Axesを選定した理由は、同社を設立した佐川肇氏らの交渉能力を評価したためとしている。このほかに、フィナンシャルアドバイザー(FA)としてPerella Weinberg Partners、リーガルアドバイザーとしてWeil、Gotshal&Mangesが参画していたことも公表。Axesとは2006年6月に契約を締結し、ジャイラス買収の手続き開始発表(07年11月)の同じ年にあたる07年6月に報酬総額を定めた修正契約を結んだ。

 記者会見した森久志副社長は、Axesを選定するにあたっては「他社との比較は行っていない」としたが、ジャイラス買収以前に検討していた企業買収でAxesと関係があったことから、06年の契約に至ったと説明した。佐川氏との関係については「ある日本の方からご紹介を頂いた」とした上で「04年頃からいろいろな相談をしていて、(ジャイラス以前の買収の検討では)その方のネットワークの方々にも働いてもらっていた」などと話した。06年以前は「無料で働いてもらっていたことになる」とも述べた。

 ジャイラス買収でAxesと関連会社に支払ったのは6億8700万ドル(当時のレートで687億円)。記者会見に同席した川又洋伸取締役は「すべてがFA報酬ではない」と説明。約2億4400万ドルが現金と株式オプションで構成する報酬で、残りが株式オプションの対価として支払った優先株の発行とその買い戻し額の差額であり「不当に高額だとは考えていない」との立場を繰り返し強調した。

 オリンパスからAxesへの支払いには、一般的なFA業務に対する報酬のほかにM&A(買収・合併)に必要な業務の包括的なコンサルティングの報酬や、FAのPerellaやWeil,Gotshalへの報酬も含まれているとした。優先株を発行したケイマン諸島の「Axamインベストメント」は、佐川氏がM&Aでの資金負担で立ち上げたファンドだと説明した。

 ただ、FA報酬の一部の株式オプションの対価を優先株で支払ったことについて森副社長は「Axesは買収ターゲットのエクイティを持ちたいというのが要望だったが、税金対策なども考えていたのではないか」と説明。同社は当初、現金で支払うとことを主張したと釈明した。優先株の買戻し額が6億2000万ドルに上ったことについては「ジャイラス買収で事業価値が高まると想定していた」(川又取締役)とした。

 <国内3社の買い取り先は「まったくわかっていない」>

 オリンパスは同日、アルティス、NEWS CHEF、ヒューマラボの国内3社の買収についても、外部第三者機関による事業価値の算定が実施されていると主張。買収のスキームについて森副社長は「何段階に分けてものも買収になっている」と説明したが「(購入先の株主は)まったくわかっていない」と述べた。その上で「(経済雑誌の)FACTAにJブリッジと関連した会社から買ったと書いていたが、その記事で知った。株主の名前と振込先は分かっているが、それ以外は知る由もなくJブリッジと関係しているかどうかも分からない」などと語った。

 3社の買収を完了した翌年に減損処理した理由については、事業見通しが出資当初の想定とかい離したことに加え、リーマンショックなど外部環境の悪化によるためと説明した。高山修一社長は、3社の減損が会社に損害を与えたとの指摘に対して「減損した部分は当時の見通しが甘かったが、減損していない部分は順調に行っている」と述べた。

 <市場関係者「発表に意味ない」>

 一方、株価は後場に入って一段高となり、前日比で23.29%の1355円で取引を終了した。会社側が開いた記者会見で、過去の買収案件について詳細を明らかにしたことを材料視し、買い戻しが強まった。医療機器メーカーのジャイラス社や国内の新事業3社の買収に関して、同社では「違法もしくは不正な点があったという事実はない」との認識をあらためて示した。

 またオリンパスは、過去の買収案件に関して「憶測に基づく様々な報道がなされているが、当社の認識としては今回開示した内容が事実」とし、今後、第三者委員会を設立して外部の有識者による調査を実施する方針を改めて示した。

 しかし同日の発表について損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントのシニア・インベストメントマネジャーの菅原繁男氏は「肝心の買収価値の適正性に関して、定量的な説明がないため、投資家の信頼回復にはつながらないだろう。今日の発表は意味がない。しょせん社内の情報開示ではこれぐらいが限界だし、やはり第三者機関の調査が必要だ」と述べていた。

 同日開かれた参院財政金融委員会では、民主党の金子洋一参院議員がオリンパスの問題で質問し、参考人として出席した東京証券取引所の静正樹常務執行役員が、今後は内外の投資家から日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)の強化を求める声が強まるのは間違いないとする見解を表明した。

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