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欧州債務危機への独仏対応が焦点、ユーロ安トレンド継続=今週の外為市場

 [東京 28日 ロイター] 今週の外国為替市場では引き続き、欧州債務危機をめぐる独仏などの対応をにらみ、リスク回避地合いの中でユーロ安/ドル高トレンドが続きそうだ。11月の米雇用統計など重要な米経済指標も発表されるが、米景気の緩やかな拡大を確認する内容になるとの見方が多く、大きな材料になりにくいとの声が出ている。ドル/円は狭いレンジ取引が続くとみる声が多い。

 予想レンジはドル/円が76.50─78.50円、ユーロ/ドルが1.3150─1.3500ドル。

 <欧州情勢が引き続き焦点、ユーロの下落トレンド続く>

 欧州債務危機を背景とした国債利回りの上昇(価格の下落)は、イタリアからフランス、さらにドイツにまで波及する気配を見せている。国債利回りの上昇は各国の資金調達コストの上昇につながり、財政を圧迫することで債務危機をさらに深刻化させる。国債価格の下落は保有する金融機関の財務を直撃するうえ、カウンターパーティリスクから、とりわけドル調達が難しくなってきている。28、29日にはイタリア国債、12月1日にはスペインやフランスの国債入札も予定されており、不安定な欧州債券市場の動向が懸念されている。

 一方で、債務危機に対し、ユーロ圏の指導的立場にある独仏の足並みはそろわない。24日の独仏首脳会談では、欧州中央銀行(ECB)に対し債務危機対策で一段の行動を要請しないとの方針で一致したが、市場ではECBに国債買い入れの拡大など求めたいフランスをドイツが押し切ったとの見方が強い。ドイツのメルケル首相は、ユーロ圏共同債についてもあらためて反対する姿勢を示した。

 市場では「欧州の財政統合をにらんでユーロ圏共同債の議論に焦点が集まりそうだ。簡単に実現するとは思えないが、29日のユーロ圏財務相会合や30日のEU財務相理事会を通じ、独仏などで議論を少しでも進めることでユーロ売りが和らぐ可能性がある」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との声が聞かれる。

 一方で国際通貨基金(IMF)によるイタリア支援の可能性が報じられるなど、収れんしきれないながら国際機関を含めて危機対応を急ぐ姿勢も見られるようになっており、「ユーロはヘッドラインに振らされる展開が続きそうだ」(国内金融機関)との声が聞かれる。

 29日のユーロ圏財務相会合では、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のレバレッジについて最終案をまとめる見通しだが、市場にはどこまで具体的な内容になるかについて懐疑的な見方も多い。議論が難航すれば、ユーロ売りにつながる可能性もあるという。

 市場では、リスク回避地合いに加え、欧州の金融機関によるドル調達圧力をきっかけに「幅広い通貨ペアでドル買いバイアスがかかってきた。ユーロ/ドルはダウントレンドが続きそうだ」(三菱東京UFJ銀行アナリスト、井野鉄兵氏)とみられている。

 市場では、ユーロの当面の下値メドとして10月4日につけた直近安値(1.3145ドル)を意識する参加者が多い。ただ、「市場のポジションがすでにユーロ・ショートに傾いていることから、折に振れ買い戻しも入る。ユーロの急落はなさそうだ」(国内銀行)との指摘も聞かれる。

 <米雇用統計など指標発表も目白押し、ドル/円は狭いレンジ取引>

 欧州債務危機の影に隠れて目立ちにくいが、米景気指標の発表も目白押しだ。30日には11月ADP全米雇用報告、12月1日には11月米ISM製造業景気指数、そして2日には最大の注目指標である11月米雇用統計が発表される。

 ロイター予測によれば、米雇用統計のうち非農業部門雇用者数は11万7000人の増加、民間部門雇用者数は13万5000人の増加、失業率は9.0%になる見通し。市場は米景気についてはそう悪くないとの見方で一致しており、その分、多少予想を上振れてもポジティブサプライズにはなりにくいとの声も聞かれる。ただ、「市場のドル買いバイアスを考えれば、ドルは買われやすいだろう。ドル/円は77.00円付近が堅くなる可能性がある」(三菱東京UFJ銀行、井野氏)との声が上がっている。

 しかし、上値も限定的で、ドル78円付近から上では輸出企業の売りが厚みを増すとみられている。一方で、76円を割り込めば介入が視野に入るため下攻めにも慎重になるとみられ、ドル/円は引き続き狭いレンジ取引が続くと予想する声が多い。

  (ロイターニュース 松平陽子)

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