[ミラノ 28日 ロイター] 国債価格が急落しているイタリアで28日、「国債の日」と銘打たれたキャンペーンが行われ、個人投資家の国債取引が急増した。
キャンペーンは実業家のジュリアーノ・メラニ氏が今月呼び掛けたもので、この日は銀行がイタリア国債の購入手数料を免除した。
個人投資家向けの主要債券市場(MOT)では、同国国債に約8万1000件、総額26億ユーロ(34億7000万ドル)という記録的な額の注文が入った。この日のMOTの総取引高は27億ユーロ強だった。
国債の平均購入額は3万2000ユーロと、11月の月間平均3万9500ユーロを大幅に下回っており、多くの個人投資家が国債を購入したことが裏付けられた。
ある取引所の関係者は「2000ユーロ、1万ユーロ、2万ユーロといった小口の注文が目立った。反響は大きく、国民投票でも行われているような雰囲気だった」と語った。
来月12日も短期国債を対象とする同様のキャンペーンが行われるが、こうした取り組みでイタリアの財政問題が解決するとの見方は少ない。
イタリア中銀の推計によると、同国の国債発行残高1兆6000億ユーロのうち、約46%は外国人投資家が保有。国内個人投資家の保有は約14%となっている(6月時点)。
国内証券のあるトレーダーは「マーケティングとしては非常に素晴らしいが、大きなインパクトはないだろう。ただ、ベルルスコーニ首相の辞任で、国内のムードが変わったことが示されたと思う」と述べた。