for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

〔焦点〕商品市場にインフレヘッジの資金が流入、インフレの連鎖招く

 [ニューヨーク 27日 ロイター] 市場関係者によると、商品市場にインフレヘッジ目的の資金が流入しており、米国内のインフレ圧力を一段と強める要因になっている。

 このところ商品市場では、さまざまな商品が最高値を更新。インフレ進行とドル安を背景にファンド勢や投機筋が、株式・債券から資金を移していることが背景だが、これが米国の消費者物価を押し上げる一因になっているとの見方が多い。

 キャメロン・ハノーバーのピーター・ボイテル社長は「インフレの進行から身を守るためには、インフレの基になる商品を買う必要がある。しかし、日常生活の基礎になるのも、燃料・食品といった商品だ」と指摘。

 「商品は、投資資金の滞留先にもなっており、価格は下落しない。米連邦準備理事会(FRB)が(景気減速に対処するため)利下げすると、別の問題が生じる」と述べた。

 ここ数週間、投機筋の原油・石油製品のポジションは膨らんでおり、米原油先物は1バレル=100ドル台に上昇、最高値を更新した。

 たんぱく質含有量が多く高級小麦粉の原料として製パン業者の間で高い評価を得ているミネアポリス穀物取引所(MGE)の春小麦MWH8は、今週1ブッシェル=25ドルまで上昇、1年前の4倍近い水準となった。

 金先物GCJ8は1オンス=970ドル付近と、1年前の水準を30%以上上回っている。プラチナPLJ8は半年間で60%急騰し、1オンス=2100ドルで取引されている。

 商品市場への資金流入は、物価を一段と押し上げる要因になる。

 オプションズXプレスの先物アナリスト、ロブ・クルザトコウスキ氏は「(商品投資が)インフレの進行を促している。自己預言の様相を呈している」と指摘している。

 1月の米卸売物価指数(PPI)は、エネルギー価格などの上昇を背景に前月比1.0%上昇した。前年比でも約26年ぶりの高い伸びを記録している。

 FRBは、住宅市場の低迷や信用収縮への対応で、昨年9月以降、政策金利をすでに2.25%ポイント引き下げ、3.0%としている。

<ファンド対ファンダメンタルズ> 

 FRBのコーン副議長は26日、景気減速のリスクがインフレのリスクを上回っていると発言、追加利下げを示唆したが、利下げがインフレを促す可能性がある。

 ユーロ/ドルは27日、最高値となる1ユーロ=1.51ドル台に上昇、ドル安がインフレを招く可能性も指摘されている。

 クルザトコウスキ氏は「ドル安はインフレを招く。商品価格上昇の原因にもなる」と指摘している。

 一部のアナリストの間では、現在の1バレル=100ドルという原油価格はファンダメンタルズを反映していないとの見方が出ている。米国の原油需要は景気減速で伸び悩んでいるとみられ、投機筋の取引が原油高の原因になっているという。

 ショーク・リポートのスティーブン・ショーク社長は「ファンダメンタルズから見る限り、インフレをヘッジするために商品を買うという取引の合理性が増していることは確かだ」と発言。

 「先物市場は、現物市場関係者のリスクヘッジ手段としてだけではなく、インフレヘッジの手段として利用されている」と述べた。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up