[シンガポール 24日 ロイター] 24日のアジア通貨市場では、韓国ウォンが8カ月ぶりの安値をつけた。
市場では、ユーロ圏の債務問題が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が根強い。
タイバーツはバンコクの混乱が収拾に向かっていることを受けて、値上がりしている。
ウォンKRW=は一時2%強下落し、2009年9月以来の安値となる1ドル=1220ウォンをつけた。朝鮮半島の緊迫化を懸念した投資家がロングポジションを解消した。
21日の韓国市場は休場だった。
韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は、哨戒艦沈没問題をめぐる国民向けテレビ演説で、北朝鮮に謝罪を要求。演説の内容はほぼ予想通りだった。
ウォンはその後、ソウル株式市場が安値から切り返し、0.3%高で引けたことを受けて、1214ウォン付近まで戻している。
フィリピンペソPHP=は約0.4%安の1ドル=46.68ペソ。2月初旬以来の安値をつけた。
マニラのあるトレーダーは「ドル/ペソは、他のアジア通貨につれる展開が続いている」と述べた。
ペソは先週1週間で3%下落しており、市場関係者は、近く下げ止まる可能性を指摘している。ただ、今後も軟調な展開が続く可能性は残されているという。
ドル/人民元ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は、中・短期ゾーンが下落。市場では、24─25日の米中戦略・経済対話に合わせ中国が為替政策を変更する可能性がある、との観測が出ている。
ただ、投機筋がここ6週間に、人民元の切り上げを見込んだ取引をめぐって損失を被っていることから、市場のムードは慎重だという。
1年物のドル/人民元NDFCNY1YNDFOR=は6.7250元と、前週末終値の6.7340元から下落している。相場が織り込む1年間の人民元上昇率は前週末の1.39%から1.53%に上昇した。
バーツTHB=は0.5%高の1ドル=32.26バーツ。この日は、政府がバンコクのデモを制圧して以来、はじめての取引となる。
バンコクのトレーダーは「政局の見通しは晴れた。アジア通貨がここ数日弱くなければ、バーツはもう少し上昇しただろう」と述べた。
*0654GMT(日本時間午後3時54時分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は以下の通り。
シンガポールドル 1.4055
台湾ドル 32.088
韓国ウォン 1214.30
タイバーツ 32.34
フィリピンペソ 46.58
インドネシアルピア 9244.00
インドルピー 46.67
マレーシアリンギ 3.3150
人民元 6.8276