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〔FEDフォーカス〕コメディアンに揶揄されるFRB、次は新議会が攻撃へ

 [ワシントン 6日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第2弾(QE2)は、コメディアンや漫画家に揶揄(やゆ)され、海外からも批判が相次いでいるが、次は議会から激しい攻撃を浴びそうだ。

 バーナンキ議長は7日、新議会で初の証言を行う。

 先の中間選挙で躍進した共和党はFRBに対する攻勢を強めており、一部の共和党議員からは、FRBはなりふり構わぬ大きな政府の象徴、との批判さえ出ている。

 下院では、激しいFRB批判で知られるロン・ポール議員がFRBを監視する小委員会の委員長に就任。保守派のティーパーティーがFRBに対する攻勢を一段と強める可能性がある。

 今回の議長証言は、その軽いウォーミングアップとなりそうだ。

 今後FRBは議会で、QE2に関する厳しい質問責めに遭う可能性が高い。FRBの使命に雇用最大化は必要か、金融政策を議会監査の対象にする必要がある、といった声も出ている。

 上院では民主党が多数派を維持しており、政権も民主党であるため、FRBに対する議会の不満が法制化につながる可能性は低い。

 ただ、FRBに対する不信感は党派を超えて広がっており、FRBは今後、庶民よりもウォール街を優遇しているとの批判に反論する必要に迫られそうだ。

 ブッシュ政権で大統領報道官を務めたトニー・フラット氏は「靴でテーブルをたたいて抗議する人間も出てくるだろう」との見方を示した。

 <コメディアンのネタに>

 QE2はコメディーや漫画の格好のネタになっている。

 コメディアンのジョン・スチュワート氏は、QE2を「紙幣の発行」と解釈するのは正しくないと主張。

 FRBは銀行に準備資金を提供しているだけで、銀行が資金を貸し出さなければ現実の紙幣にはならず、「国民は紙幣を夢想しているだけだ」と批判している。

 同氏はバーナンキ議長が2年前に「(国債買い入れは)紙幣発行とまったく同じではないが、それに非常に近い」と発言したことを取り上げ、「バーナンキ、君は紙幣の発行を認められたひげのおじさんなんだろ」と皮肉った。

 スチュワート氏の番組は全米で150万人が視聴しているとされる。

 ユーチューブで約400万回近く視聴されたアニメ漫画( here )では、のどかな風景の中、2匹の可愛らしいクマが次のような会話を交わす。

 「何で量的緩和って言うんだろう。何でお札の発行って言わないんだろう」

 「お札の発行は、経済がだめになった帝国や小さな国の最後の手段なんだ。FRBはそれしかアイデアがないことを認めたくないんだよ」

 <悪魔との取引>

 ジョークはさておき、今後、新議会はQE2への攻撃を強めていくとみられる。

 QE2は、海外ではドル安や通貨安競争を招くと批判されているが、米国内では、保守系議員だけでなく、FRB内部からもインフレの温床になるとの批判が出ている。

 カンザスシティー地区連銀のホーニグ総裁はQ2を「悪魔との取引」と表現。

 ブッシュ政権で財務省のエコノミストを務めたフィリップ・スワジェル氏は「QE2は異例の措置であり、さまざまな意見が出るのは当然だ」との認識を示した。

 FRBをめぐっては、金融機関の救済に対する批判が根強く残っており、融資先や融資理由の一段の情報開示を求める声が強まる可能性がある。

 下院監視・政府改革委員会のイッサ新委員長は、FRBに圧力をかけるため、召喚権限を利用する考えを表明。現在5年後の公表となっている連邦公開市場委員会(FOMC)筆記録の公開前倒しを目指す考えも示している。

 同委員長は「現状では、FRBに関する十分な情報を適切な時期に得られない」と述べた。

 議会では、金融政策の議会監査を求める声も出ている。

 ロン・ポール議員は昨年、金融政策の議会監査を義務付ける法案を提出。法案は成立しなかったが、同議員は今年、FRBを監視する下院金融委員会の国内金融政策小委員会委員長に就任した。

 同議員は昨年11月、「(FRBは)独立性が強すぎる。そのような権限を持たせるべきではない」と批判している。

 (Mark Felsenthal 記者;翻訳 深滝壱哉)

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