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中国企業の不正会計疑惑、懸念強める4大会計事務所

 [香港 24日 ロイター] 中国企業をめぐる最近の不正会計疑惑で、世界の4大会計事務所は懸念を強めている。

 4大事務所のKPMG[KPMG.UL]、アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)[ERNY.UL]、デロイト・トゥーシュ・トーマツ[DLTE.UL]、プライスウォーターハウスクーパーズ(PWC)[PWC.UL]にとって、中国企業の国外での上場は妙味の多いビジネス。しかし中国や香港で有能な人材確保が難しいこともあり、米エンロンの粉飾会計事件を受けて解散した大手会計事務所アーサー・アンダーセンのような状況になるのでは、との不安がでている。

 PWCのリスクとコンプライアンス担当パートナー、ポール・ウィンクルマン氏によると「費用は上昇し、手数料は競争が激しくなるなか低下している。会計事務所が破綻するリスクが実際にある」という。

 4大事務所は、中国本土系企業の新規株式公開(IPO)での監査に慎重姿勢を強めている。4大事務所のひとつに務めるある会計士は匿名を条件に「業界全体が中国のIPOに慎重になっている」と指摘した。

 また既に顧客である中国企業に対しても慎重になっており、何らか問題があると判断した場合は早い段階で弁護士に相談するようになっている。

 ロイターの取材に対し4大事務所は、リスク管理には厳しく対応しているとのコメントを寄せた。

 中国公認会計士協会(CICPA)によると、4大事務所の2009年の中国での収入は91億元(14億1000万ドル)で、中国の会計士業界収入の半分を占めている。

 今回の粉飾会計問題は、リバースマージャー(逆買収)という手法で上場した小規模企業によるもの。これらの企業は、4大法人ではなく米国や香港の中小会計法人が監査している。

 しかし、4大法人が絡むケースも出てきた。5月には中国のソフトウエア開発企業ロングトップ・フィナンシャル・テクノロジーズLFT.Nに不正会計疑惑が浮上、デロイトが監査契約を解消した。

 トロント市場に上場している林業の嘉漢林業国際(シノ・フォレスト)TRE.TOについても、不正会計疑惑をめぐる集団訴訟ではE&Yの名があがった。

 香港では1月にKPMGが中国森林0930.HKの不正疑惑を指摘、株式の売買停止につながった。

 専門家によると、4大事務所のほうがスタッフも抱えており、米国の小規模事務所よりも不正を発見しやすい。前出のウィンクルマン氏は、中国に展開している会計事務所はリスクを把握できているとし、「アジア特有の不正があるが、現地にいる人間はこれを認識してリスク管理している」と述べた。

 ウィンクルマン氏は、香港公認会計士協会(HKICPA)を代表して、会計士の責任に関する法改正を香港政庁に年内に提言する予定だ。香港でのIPOは規模が拡大しており、IPOをめぐる会計事務所の責任を有限責任とすることを求めるという。

 4大事務所にとって課題となるのは、人員と監査する企業の種類だ。

 4社あわせて中国本土、香港、台湾では現在4万人を雇用している。ただ経済が急拡大しているため、需要に十分対応できていないという。

 E&Yは今年1500人を新規採用する計画で、広報担当者によると「会計専門家や大卒者への需要が強い」という、

 しかし人員確保は困難だ。HKICPA幹部のクリス・ジョイ氏は「われわれやCICPAなどで資格を提示しているが、、現時点では十分ではない。しかし会計士を多くするためだけに資質面で妥協するわけにはいかない」と述べる。

 特にIPOをめぐる監査業務では、10年前は国営企業だけだったが現在では民間企業も上場しており、人材不足が深刻となっている。

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