*タイ総選挙、タクシン派のタイ貢献党が圧勝。
*タクシン元首相、タイ貢献党率いる妹のインラック氏に祝福の電話。
*インラック氏、支持者に対し「失望させない」と約束。
*関連グラフ:
「タイ政局の経緯」(link.reuters.com/bac99r)
「タイの政治・経済データ」(link.reuters.com/xak89r)
[バンコク 3日 ロイター] タイで3日実施された総選挙(下院議会選挙、定数500)は、タクシン元首相の妹、インラック氏が率いる野党・タイ貢献党が圧勝し、インラック氏が同国初の女性首相となる見通しとなった。
インラック氏は、ドバイで事実上の亡命生活を送っているタクシン元首相から勝利を祝福する電話を受けた後、支持者に対し「私は最善を尽くし、あなた方を失望させない」と述べた。
また、記者団に「彼(タクシン氏)は私に、この先まだ厳しい取り組みが多く待ち構えていると言った」と語った。
選挙管理委員会によると、ほぼ開票が終了した段階で、インラック氏のタイ貢献党の獲得議席数は261議席、アピシット首相の与党・民主党は162議席と予想されている。
アピシット首相は敗北を認め、「貢献党が政権樹立することを祝福する」と述べた。
バンコクのスアン・ドゥシット大学の出口調査によると、タイ貢献党の獲得議席は313議席、民主党は152議席で、貢献党の躍進が一段と鮮明になっている。
タクシン氏はドバイで、自身の帰国について記者団に「適切な時期を待つ」姿勢を示した。「私の帰国が問題を引き起こすことになれば、まだしない。自分は解決策であるべきで、問題であってはならない」と述べた。
有力実業家で、2001年と2005年の選挙で大勝したタクシン氏は、依然、貧困層の間で絶大な人気がある。
今回の選挙戦で、インラック氏のタイ貢献党とアピシット首相の民主党が掲げた公約は似たような内容で、社会保障制度の改善やインフラ(社会資本)投資の促進など、同国で「タクシノミクス」と評される民衆迎合型の施策だった。
タイ貢献党は、過半数の議席を確保したとみられることから、公約を実行しやすくなるが、公約の1つである最低賃金の約40%引き上げを実施すれば、インフレを加速させる可能性がある。