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金利、緩和効果損なわれない範囲で上下に動いていい=雨宮日銀副総裁

 3月8日、日銀の雨宮副総裁(写真)は「緩和効果が損なわれない範囲内で、金利はもっと上下に動いてもいいのではないか」と述べ、長期金利の変動幅拡大は必要ないとする黒田東彦総裁とは異なるスタンスを示した。2019年7月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は8日、読売新聞社主催のオンライン講演会での質疑応答で「緩和効果が損なわれない範囲内で、金利はもっと上下に動いてもいいのではないか」と述べ、長期金利の変動幅拡大は必要ないとする黒田東彦総裁とは異なるスタンスを示した。

日銀は長期金利の誘導目標をゼロ%とする一方、市場機能維持の観点から「おおむねプラスマイナス0.1%の倍程度」(黒田総裁)の変動を許容してきた。18日からの金融政策決定会合での政策点検の結果、日銀が変動幅のさらなる拡大を容認するのではないかとの観測から長期金利は上昇してきたが、5日に黒田総裁が変動幅を「拡大する必要があるとは考えていない」と言明すると長期金利は急低下した。

雨宮副総裁は質疑応答で、黒田総裁の発言について「(長期金利の変動幅拡大の是非について)点検の中で議論になると前置きした上で、自身の考え方として発言したもの」と指摘した。

雨宮副総裁は講演で、イールドカーブ・コントロールの持続的な運営のためには市場機能の維持と金利コントロールの適切なバランスを取ることが重要だと指摘。金利の変動が一定の範囲内であれば緩和効果を損なわずに「国債市場の機能度にはプラスに作用する可能性がある」と述べた。

もっとも、新型コロナウイルス感染症の影響が経済に打撃を与える中、債券市場の安定を維持してイールドカーブ全体を低位で安定させることが重要であり、「当面、この点を念頭にイールドカーブ・コントロールの運営を行っていく必要がある」とも指摘した。

金融政策は、必要な場合に効果的な対応を行えるような機動性を備えておくことも必要だとし、追加緩和の手段として「長短金利の引き下げは重要な選択肢の一つ」と述べた。

さらなる低金利は、金融仲介機能に影響を及ぼす可能性があり、市場には、それを理由に長短金利の引き下げは困難との見方があるのも事実だ、と認めた。そのため、金融仲介機能に及ぼす可能性に配慮しつつ実施できるようにしておくこと、こうした認識を市場参加者などと共有することが重要だと述べた。

ETF(上場投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)など資産買い入れについても、必要なときに思い切って積極的な買い入れを行うことで、最大限の効果を上げる運営を行っていくことができないか考えたいと語った。

*雨宮副総裁の発言を追加し再構成して再送します。

杉山健太郎、和田崇彦 編集:石田仁志

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