May 25, 2018 / 2:28 AM / 5 months ago

5月ロイター企業調査:今年度値上げ計画45%に増加、コスト増で限界超え

[東京 25日 ロイター] - 5月ロイター企業調査によると、製品やサービス値上げの動きが過去に比べて活発になっていることがわかった。2年前の5月調査で19%に過ぎなかった値上げを実施・検討している企業の割合は、今年は全体の45%に増えた。原材料費だけでなく人件費、流通費などコスト上昇が重なったためだ。製造業で5割、消費者に近い非製造業でも4割が値上げを実施または検討しており、需要好調を理由とした値上げも含まれている。

 5月25日、5月ロイター企業調査によると、製品やサービス値上げの動きが過去に比べて活発になっていることがわかった。写真は都内のスーパーマーケットで2014年1月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

この調査は、ロイターが資本金10億円以上の中堅・大企業541に調査票を発送。5月9日─21日に実施。回答社数は230社程度。

今年度、主要製品やサービスの価格の「値上げ」を実施または検討している企業は全体の45%で、「据え置き」が50%、「値下げ」は4%だった。

「値上げ」の動きは、製造業から非製造業まで広がりをみせている。

製造業では素材業種を中心に50%が値上げを実施・検討しており、今年1月調査時の38%から大幅に増えた。16年5月に調査した際の19%と比べると、今回は値上げの動きに広がりがみられる。非製造業も同様で、16年5月の20%、今年1月の36%から今回は40%の企業が値上げを実施・検討していると回答した。

値上げの理由として最も多かったのは、製造・非製造業ともに「原材料価格」だった。製造業で82%の企業が、非製造業でも41%が理由に挙げた。

製造業ではこのほかに流通費を挙げた企業が11%と2桁に上った。「原油価格が想定以上に上昇。物流費も自社で吸収できる限界を超えた」(化学)、「原材料費、人件費、運送費など、すべからく上がってきており、吸収できる余力がない」(金属)といった声が聞かれる。

非製造業では原材料価格、人件費、流通費に続いて需要動向を挙げる声が多かった。運輸業では「人員確保が困難な状況が継続している」状況にあり、物流費値上げが引き続き全産業に影響している。サービス業では「需要が旺盛で十分利益を計上している」など、コスト要因以外の理由で値上げが始まっている状況もうかがえる。

他方、「値下げ」や「据え置き」との回答は徐々に減少。「据え置き」は16年5月時点で72%を占めていたが、今年1月は57%、今回は50%に減少した。それでも「値上げすると売れなくなる」(機械)など、価格競争の激しさを挙げる声が依然として目立つ。

なお、同調査の回答には対企業向けの製品・サービスも含まれている。4月の消費者物価(除く生鮮食品)が前年比0.7%と今年に入り最も低い上昇率となったこともあり、消費者向けの商品・サービスにおける末端価格までの波及は、そう簡単ではなさそうだ。

ニッセイ基礎研究所の斉藤太郎経済調査室長によると、消費者物価の対象である523品目を調べたところ、4月は年度替わりで価格改定が行われやすい月だが、上昇品目数は前月とほぼ変わらず、目立った値上げの動きはみられなかったという。

野村證券シニアエコノミストの桑原真樹氏は「価格を上げる意欲はあっても需要が弱くて結局上げられないところが多く存在することを示唆するのではないか」とみている。需要と原材料価格などのコストとの綱引きになるが、企業のプライシングパワーは依然弱く、デフレマインド払拭は容易でないと分析している。

中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志

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