January 17, 2017 / 3:43 PM / in 3 years

英首相がEU単一市場からの脱退表明:識者はこうみる

[ロンドン/東京 18日 ロイター] - 英国のメイ首相は17日、欧州連合(EU)離脱の交渉方針に関する演説を行い、EU離脱に伴いEUの単一市場を脱退する方針を明らかにした。

識者のコメントは以下の通り。

●英首相演説は織込み済み、懸念はトランプ発言

<大和住銀投信投資顧問 経済調査部部長 門司総一郎氏>

メイ英首相は演説で、欧州連合(EU)離脱に伴い、単一市場からも脱退する方針を明らかにした。株価にとっても長期的に見ればマイナスだが、ハードブレグジット(強硬離脱)について日本市場は昨日の時点で織り込んでおり、影響は限定的だろう。また、離脱交渉は2年かかるので、すぐにどうこうという話ではない。

それよりも問題なのはトランプ氏と陣営のドル高けん制発言だ。投資家は20日の米大統領就任式の演説で、インフラ投資や減税などを早急に行うというコメントが出てくることを期待している。だが、今回のドル高けん制発言を受け、演説内容がマーケットを満足させるものにならないのではないかという懸念が出ている。市場の期待に沿えなかった場合、日経平均は一段安となるだろう。トランプラリーで1万7000円から約2万円まで上昇したと概算すれば、目先の下値は半値戻しの1万8500円程度だろう。

●市場が楽観するか不透明

<シンク・マーケッツUKの首席市場アナリスト、ナイーム・アスラム氏>

メイ英首相は欧州連合(EU)にとどまることには興味がなく、全く新しい関係の構築を望んでいることを示した。表向きは楽観的だが、投資家が首相の楽観を信じるかは不透明だ。

離脱交渉の最終合意案を議会の採決にかける方針を示したことでポンドは上昇している。メイ氏は単一市場へのアクセスなどに関して、EUパートナーに多くの要求を行った。ボールは相手側のコートにある。

●第50条発動時に正念場、引き続き注目を

<セキュアエクイティのシニア・トレーダー、ジャワイド・アフサー氏>

首相演説は一定の方向性を示したが、欧州連合(EU)基本条約(リスボン条約)第50条発動時に正念場を迎える。揺れが予想される英EU離脱の動きに引き続き注目したい。

●ブレグジットが明確化

<ヘッジファンド・アルタナ(ロンドン)の為替ファンドマネジャー、イアン・ガナー氏>

メイ首相は体裁をよくしたがっているようだが、要はハードブレグジット(強硬離脱)そのものとの指摘もあり、政治家らは批判してくるだろう。ただブレグジットが明確になったことは確かで、これが最も重要な点だとおもわれる。明確な見通しを立てることが双方にとって一層建設的だ。

●幻想に過ぎない、経済的に最悪の選択肢

1月17日、英国のメイ首相は欧州連合(EU)離脱の交渉方針に関する演説を行い、EU離脱に伴いEUの単一市場を脱退する方針を明らかにした。識者からは市場が楽観するか不透明などとのコメントが出ている。 写真は同日、ロンドンで演説を終えたメイ首相(2017年 ロイター/Leon Neal/Pool )

<ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル・フラッシャー所長>

英国を欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後に「世界レベルの貿易国」に移行させるとのメイ首相の約束は幻想に過ぎず、保護主義的な政策を通じて偉大なアメリカを復活させるというトランプ次期米大統領の掲げるスローガンと大差ない。英国民は失望を避けられない可能性がある。「ハードブレグジット(強硬離脱)」は経済的に予想し得る最悪の選択肢だ。

メイ首相のハードブレグジット方針の発表によって、英経済の緩やかな衰退が始まった。欧州やドイツへの影の脅威でもある。

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