August 27, 2018 / 6:04 AM / 3 months ago

コラム:マケイン氏死去、惜しまれる金融業界への独自姿勢

[ワシントン 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ジョン・マケイン上院議員は、金融業界に対して共和党議員らしからぬ姿勢を貫いた。脳腫瘍で25日死去した同氏は独立独歩の姿勢で知られた。自宅での闘病を余儀なくされる前の最後の大きな功績は、共和党が進めていた医療保険制度改革(オバマケア)の廃止を阻止したことだ。金融危機後の大手金融機関に対する締め付けなどを巡っても、業界寄りに立つことを拒否した。

 8月26日、ジョン・マケイン上院議員は、金融業界に対して共和党議員らしからぬ姿勢を貫いた。2008年10月、米オハイオ州ディファイアンスで開かれた選挙集会で演説するマケイン氏(2018年 ロイター/Brian Snyder)

伝統的に大手金融機関を重要な資金源および仲間と見なしてきた共和党にあって、マケイン氏は異端児だった。2014年末までの数年間、民主党のカール・レビン上院議員の右腕として、金融危機へとつながる金融機関の不正行為を調査した。マケイン氏が協力したことで、レビン氏が率いる常設調査小委員会は何より重要な超党派の支持を確保することがかない、信頼性が高まった。

銀行幹部を理路整然と追い詰める技術では、マケイン氏はレビン氏にかなわなかったが、決して歯に衣は着せなかった。住宅市場の下落に賭けたゴールドマン・サックスの利益相反を巡る2010年の公聴会では、同行の行動が「非倫理的」だったのは間違いないとバッサリ。JPモルガンが2012年にトレーデイングで60億ドルもの損失を出した「ロンドンの鯨」事件については、極めてリスキーな取引に手を出している「恥ずべき証拠がまたしても」出てきたと突き上げた。

マケイン氏は民主党リベラル派のエリザベス・ウォーレン議員とともに、銀行・証券業務の分離を定めた1933年の「グラス・スティーガル法」の復活法案も策定。成立には至らなかったが、これによって銀証分離の議論が生き続けることになった。2010年には金融規制改革法(ドッド・フランク法)に反対票を投じたが、本人の弁によると、同法によって金融機関の救済が法制化されてしうまうというのがその理由だった。

マケイン氏の経歴に非の打ちどころがないわけではない。1980年代末には貯蓄貸付組合(S&L)の不祥事に巻き込まれた。最終的に上院倫理委員会によって潔白とされたが、破綻したS&Lの当局に対する抵抗に関与したのは判断が甘かったと叱責された。

しかしその後は失地を回復した。2000年の大統領選では共和党候補の座をジョージ・W・ブッシュ氏と争って敗れたが、08年の大統領選では共和党候補に選ばれ、民主党オバマ氏の対抗馬となった。

マケイン氏は08年大統領選自体というより、その前も後も独自路線を貫いたことによって記憶に刻まれそうだ。共和党議員とホワイトハウスが規制緩和を推進して金融業界から拍手喝采を浴びる今、そうしたマケイン氏の姿勢は惜しまれるだろう。

●背景となるニュース

*マケイン上院議員が25日、死去した。81歳だった。2017年に脳腫瘍と診断されていた。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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