[3日 ロイター] - フェイスブックを手掛ける米メタ・プラットフォームズが3日の株式市場で26%急落、時価総額は2000億ドル余り消失した。リフィニティブのデータによると、米企業が1日で失った時価総額としては過去最大となった。同社の業績見通しに対する失望感から売りが膨らんだ。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の資産も約290億ドル減少した。同社は前日、米アップルのプライバシー規約変更や競争激化を挙げ、市場予想を下回る売上高見通しを示した。
2012年の上場以来、最大の下落率を記録した。
ハーグリーブス・ランズダウンのアナリスト、ローラ・ホイ氏は「ザッカーバーグ氏は代替現実の話で世界を魅了したいのかもしれないが、第4・四半期決算の失望的な内容によってメタバース(仮想空間)のバブルが早くもはじけた」と指摘した。
メタを含む米IT大手には年初から売り圧力が強まっていた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによって、これまでの超低金利政策の下で膨らんだ企業価値がそげ落ちるとの懸念があるからだ。ナスダックは1月に9%超下落した。
ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、ケネス・ブロー氏は「メタやその他の企業による業績見通しの引き下げは市場の意表を突いた」と解説。「FRBが利上げする構えの中、ボラティリティーが今後さらに高まる可能性がある」とした。
最新データによると、メタはヘッジファンドや機関投資家、個人投資家など幅広い投資家層が保有する銘柄だ。
ポートフォリオマネジャーの中には、今が買い時だと考える向きもある。ラッファー・テングラー・インベストメンツのデービッド・ジェフレス氏は3日、メタの下落を受け、同社株を買い増すつもりだと明かした。メタの決算発表でユーザーエンゲージメントや広告、利用者当たりの収入は好調だったと指摘した。
「決算全体を見ればまずまずの内容だった。業績見通しが人々を動揺させた」と述べ、市場の「過剰反応」だと分析した。
これまでに米企業が1日に失った時価総額で最大だったのは、アップルが2020年9月3日に記録した約1800億ドルで、マイクロソフトはその年の3月16日に1770億ドル失った。
3日はツイッター、ピンタレストを含む他のソーシャルメディア企業も売り込まれた。
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