[メキシコ市 23日 ロイター] - メキシコ北部にあるパナソニック自動車部品工場の労働者はこのほど、労働組合を選択する投票を行い、独立系労組「SNITIS」を承認した。国内最大労働組織の1つがまたもや敗北を喫した。
メキシコは新しい北米通商協定に従って労働者の権利を強化しようとしている。
連邦労働センターによると、北部タマウリパス州で伝統的な労働団体に対する労働者の不満から生まれたSNITISは、2日間にわたった投票で得票率が75%に達した。一方、86年の歴史を持つメキシコ労働者連合(CTM)傘下のSIAMARMは得票率が25%にとどまった。2150人が投票する資格を有していたという。
工場は主に米国とカナダ市場向けに車載用音響機器やディスプレー装置を生産している。
CTMの敗北は、メキシコ中部グアナフアト州にある米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の工場などに続くもの。この工場を巡っては、2020年に発効したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の下、労働者の権利侵害の可能性を巡り米国が監視の目を向けていた。
パナソニックは、従業員の結社の自由の権利を尊重・支持し、SNITISが同工場の新しい労組として正式に登録された後、ともに働くことを楽しみにしていると表明した。
SNITISは18日、パナソニックの工場で労働者の権利が侵害されていると訴え、米政府に調査を求めた。
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