[サーフサイド(米フロリダ州) 27日 ロイター] - 米南部フロリダ州マイアミ市近郊のサーフサイドで24日未明に起きた12階建て集合住宅の崩落で、死者が9人に増加した。救助作業が続けられているが、依然として150人超の行方が分かっていない。
また、この集合住宅「チャンプレイン・タワーズ・サウス」に関する2018年の報告書で、構造上の損傷が指摘されていたことが分かった。
サーフサイドの当局者は、がれきの隙間から生存者を救出できる可能性は残っているとしている。
地元マイアミデード郡トップのダニエラ・レビーン・カバ氏は記者会見で、死者が計9人になったと発表。6つから8つの救助チームが同時に作業に当たっており、交代要員も数百人いると述べた。
捜索には救助犬や音波探知機、ドローン(無人機)、赤外線走査装置などが用いられ、イスラエルやメキシコから専門家も派遣されている。
現場付近のフェンスには行方不明者の写真が張り出され、花やメッセージが添えられた。
一方、サーフサイド当局者がこれまでに公表した資料によると、18年にエンジニアがまとめた報告書で、プールデッキの下の大規模な構造上の損傷や、地下駐車場におけるコンクリートの劣化が指摘されていたことが分かった。
報告書は建物の補修のために集合住宅の理事会向けに作成されたもので、補修費用は910万ドルと見積もっていた。
フロリダ国際大学のシモン・ウドウィンスキー教授は、1990年代以降の衛星データを基に、チャンプレイン・タワーズ・サウスが1年間に1─3ミリ沈んでいたと指摘する。周辺の建物に沈下は見られないという。
当局者は26日、築40年以上の全ての建物についてマイアミデード郡が30日以内に安全性の検査を行うと発表した。
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