[13日 ロイター] - 米マイクロソフトMSFT.Oはビジネス向け交流サイト(SNS)の米リンクトインLNKD.Nを現金262億ドルで買収することで合意した。
マイクロソフトにとっては過去最大の買収案件で、企業の生産性向上を支援する同社のツールと4億3300万人の会員を持つリンクトインのSNSサービスを融合する。
買収価格は1株当たり196ドル。リンクトインの10日の終値に49.5%上乗せした水準となる。
マイクロソフトは買収により、電子メール「アウトルック」など、看板サービスからの顧客離れを防ぐ一方、リンクトインにとっては12億人の「オフィス」利用者を含め、マイクロソフトの顧客層を活用することで成長鈍化が鮮明となっていた事業のてこ入れが可能になる。
マイクロソフトのナデラ最高経営責任者(CEO)は「リンクトインに対し常に多大な尊敬の念を抱いていた」とし、以前から買収について検討しリンクトイン幹部と協議を重ねきたことを明らかにした。
今回の買収により、世界中のプロフェッショナルの仕事を支援することができると指摘。例として、アウトルックのカレンダー機能とリンクトインのサービスを統合することで、会合に出席するメンバーが同僚と同じ大学の出身などの情報を顧客に通知するサービスを挙げた。
リンクトインのジェフ・ウェイナーCEOは現在のポストにとどまり、ナデラ氏の直属となる。ウェイナー氏によると、アルファベットGOOGL.O傘下のユーチューブやフェイスブックFB.O傘下のインスタグラムのように、リンクトインも比較的独立した組織としてとどまる。
両社の共同声明によると、買収は年内完了の見込み。買収計画は、米国、欧州連合(EU)、カナダ、ブラジル当局の承認を得る必要がある。
発表を受け、リンクトイン株価は47%急騰し192.33ドル。マイクロソフト株は約3%値を下げている。買収価格には大幅なプレミアムが上乗せされているが、2015年につけたピークの270ドル超の水準は大きく下回る。リンクトイン株価は今年に入り弱い見通しを示したことで大きく値を下げていた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」