October 26, 2018 / 6:57 AM / 16 days ago

ブログ:ダマスカスに戻った「日常」、シリア内戦の爪あと

[ダマスカス 22日 ロイター] - 5月に戦闘が終結したシリアの首都ダマスカスでは、一部の市民が日常を取り戻しつつある。だが、近郊の町はがれきの山に埋もれて廃墟と化し、再建の手がかりすら見えていない。

10月22日、5月に戦闘が終結したシリアの首都ダマスカスでは、一部の市民が日常を取り戻しつつある。ダマスカス中心部で2018年9月、タクシーから降りる女性(2018年 ロイター/Marko Djurica)

シリア内戦を通じて政府の支配下にあったダマスカス中心部は、反体制派の拠点となっていた地域に比べ、ずっと被害の程度が軽かった。政府軍と反体制派の火力に、大きな差があった証左ともいえる。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

ダマスカス近郊の東グータ地区は、今年春の政府軍による攻勢でほとんどが灰燼に帰してしまった。

この地区では降伏後、数万人の住人や兵士が政府の支配下に戻るより、安全を保証された経路を通ってシリア北部の反体制派地域に脱出することを選んだ。だが、そこにとどまった住人らもいた。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

銃弾や砲撃に見舞われる危険は去った。しかし、くつろいだナイトライフやにぎわうビジネス地区があるダマスカス中心部の状況に比べると、東グーダの苦境は別世界だ。

アサド大統領が内戦を制することができたのは、2015年に大統領側に加勢する形で介入したロシアの力によるところが大きい。今では、政府の支配地域でロシア兵の姿を日常的に見かけるようになっている。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

内戦の最中ですら、夕方になるとダマスカスの市民は食事や酒、ダンスを楽しみに外出していた。旧市街では今年の夏、バーやレストランが一層にぎわった。

「内戦中、爆弾が落ちてきていたときは、客が何日も来ないことがあった。でも今では休みがないぐらいだ」と、バーテンダーのダナさん(24)は、シェイカーでカクテルのブルームーンを作りながら言った。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

理髪店はどこも大忙しで、旧市街のカフェは週末の夕方になると石畳の通りに椅子がはみ出すほどの客入りだった。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

2011年以来初めて、ダマスカスで戦闘の音が聞こえない夏となった。郊外で開かれた結婚式からは、学生バンドの演奏が聞こえてきた。花婿は友人や家族に肩車され、参列者から喝采を受けていた。花嫁を抱き上げて一回転すると、白いドレスが広がって宙に舞った。

<がれきと廃墟>

わずか10キロ程度しか離れていない東グータの中心街ドゥマは、がれきであふれている。

銃痕だらけの建物では、若い男性が5階のバルコニーからがれきをスコップでかき出す作業をしていた。その部屋に再び住む準備だという。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

通り全体が、破壊し尽されたようにみえる。地区最大級の病院は、砲弾で壁に巨大な穴が開き、医療スタッフは今も地下で診察などを行っている。

女性がベッドの上で抱いていた小さな男の子は、注射の順番を待っているところで、しかめっ面をしていた。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

荒れ果てた通りでは、少年がカートにトウモロコシを積み、倒壊した建物の間を売り歩いていた。

ドゥマでの戦闘は数カ月前に終結したが、再建が本格化するのはだいぶ先になるだろう。

シリアには、大規模な再建プロジェクトを行う余裕はない。最も親密な同盟国のロシアやイランは、そうした資金を融通してくれそうにない。西側諸国が、政権移行なしに資金を出すことはないだろう。

2013年に政府軍が奪還した、シリア中部にあるホムス中心部のカリディア地区を見れば、再建が進んでいないことは明らかだ。大部分は今もゴーストタウンで、住む人もなく、軍が封鎖している。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

カリディア地区の片隅では、爆撃によって天井と床が重なり合った状態の建物の前で、少年たちがサッカーをして遊んでいた。さび付いたドラム缶2本に棒を立て、クロスバー代わりにワイヤーを結びつけたものが彼らのゴールだ。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

「以前は屋根付きの市場があり、それが原因で渋滞していたが、今ではこの辺に来る人はほとんどいない」と、ホムス旧市街で店を経営するアブ・ファリスさんは言う。

ダマスカスでナイトライフを楽しむ若者の間でも、この先に待つ長く遅々とした経済再建を前に、国を去ることを考えている人が多い。

「仕事は好きだし、この街のバーやナイトライフも好きだ。けれど、結局はシリアから出て行きたい。ここには未来が見えない」と、バーを経営するラシャさん(30)は言う。

(2018年 ロイター/Marko Djurica)

「内戦で爆弾が毎日降ってきていたときは、去りたいとは1度も思わなかった。でも今は、そう思っている」

(写真、文:Marko Djurica)

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