[16日 ロイター] - 米バイオ医薬品大手モデルナは16日、開発を進めている、メッセンジャーRNA(mRNA)テクノロジーに基づく季節性インフルエンザワクチンについて、臨床試験がまちまちだったと発表した。A型では強い免疫反応を引き起こしたが、B型については承認済みワクチンと同等の効果が見られなかった。
モデルナが現在販売しているのは新型コロナウイルス向けmRNAワクチンのみ。同社は呼吸器疾患を引き起こすRSウイルスとインフルエンザ向けのmRNAベースのワクチン市場で大きなシェアを獲得したいと考えている。
試験はインフルエンザ流行期間にアルゼンチン、オーストラリア、コロンビア、パナマ、フィリピンで18歳以上の成人6102人を対象に実施した。インフルエンザA型では現在販売されているワクチンよりも強い免疫反応を引き起こしたが、B型では非劣勢を確認するという目標を達成できなかった。
既にB型に対する免疫反応を改善すべく改良を施しており、試験を行うという。また現在進行中の後期試験もあり、こちらは数週間以内にデータがまとまりそうだという。
ポール・バートン最高医療責任者(CMO)によると、この試験の結果が迅速にまとまり、上期中に規制当局に提出できれば、今年後半から来年早期に審査が行われる可能性がある。
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