October 16, 2014 / 6:03 AM / 4 years ago

米為替報告書の真意探る政府、「財政再建は慎重に」との指摘で

[東京 16日 ロイター] - 米財務省が半期に1回公表する為替報告書で、日本に対して財政再建のペースを慎重に進めるよう指摘された。消費増税判断を今年12月に控える中で、米国の各方面からは断続的に増税延期を促すと解釈できるメッセージが出ており、日本政府内では米国の真意を探る動きがある。

 10月16日、米財務省が半期に1回公表する為替報告書で、日本に対して財政再建のペースを慎重に進めるよう指摘された。都内で6月撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

15日に発表された米為替報告書では、安倍晋三政権の経済政策・アベノミクスについて「大幅な円安にもかかわらず、輸出が伸び悩んでいることは意外」「3本の矢は執ようなデフレから脱却する力強い試みだったが、ここに来て(2本目の矢の一環の財政再建が)経済成長を妨げている」など辛口の論評が並んだ。

中でも「財政再建ペースは慎重に策定することが重要」と指摘し、金融政策は「行き過ぎた財政再建を穴埋めできず、構造改革の代替にもならない」と分析した部分は、日本政府内でも注目された。

増税延期による金利上昇は対応不可能だが、増税による経済下押しは財政・金融で対応できる、との日銀の黒田東彦総裁の主張と、ほぼ真向から対立する見解だ。

今回の為替報告書に先立ち、10日にはルー米財務長官が国際通貨基金(IMF)の諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)開催を前に声明を発表。日本経済について「今年と来年は弱い状態が続く」と指摘し、「財政再建のペースを慎重に調整し、成長を促す構造改革を実行する必要がある」と主張した。

9月にはニューヨーク・タイムズが、日本政府は来年10月に予定される消費税率10%への再引き上げを「延期すべきだ」とする社説を掲載。市場関係者の間では、米政府の意向が反映されているのではないかとの憶測を呼んだ。

現時点で日本政府関係者は米側の意向を測りかねている。過去には米国が日本の消費税引き上げに対して露骨な反対姿勢を示したこともあるとされる。

だが、現時点では「世界経済における日本経済の比重が相対的に小さくなっており、米国にとって日本経済がそこまで大きな問題であるとは思えない」(関係者)との声が聞かれる。

米国が求めているのは、世界経済安定のための財政出動なので「増税とセットで補正予算を組めば大丈夫なはず」(別の関係者)との見方もある。

9月に来日した国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、消費税について「予定通り2%の引き上げを決め、実施すべきだ」と語っていた。

日本政府は、事実上の国際公約でもある財政再建目標の達成手段として、消費増税は国際的な理解が得られているとの立場を維持している。

もっとも消費増税をめぐっては政府内に幅広い意見がある。安倍首相に近いリフレ派の論客などは、首相に増税延期の判断を強く求めている。その立場からは、今回の為替報告書を含めた米側の意向は、「強力な援軍」と映っている可能性がある。

竹本能文 編集:田巻一彦

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