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コラム

コラム:子どもを五輪選手に、費用を工面する5つの秘訣

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 5日開幕したリオデジャネイロ夏季五輪では、世界各地の最も優れた選手たち約1万人が競い、そのうちのほんの少数がメダルを手にすることになる。

 5日開幕したリオデジャネイロ夏季五輪では、世界各地の最も優れた選手たち約1万人が競い、そのうちのほんの少数がメダルを手にすることになる。写真は、競泳のリオデジャネイロ五輪米国代表選考会で、男子100メートルバタフライ決勝で泳ぐマイケル・フェルプス選手。ネブラスカ州オマハで2日撮影(2016年 ロイター/Rob Schumacher-USA TODAY Sports)

しかし、金メダルに本当にふさわしいのは誰だろうか。それは、彼らが五輪出場を果たすため、倹約してお金を貯めてきた家族であろう。

同じ屋根の下で世界水準の選手を育てることは、家族の人生と預金を容易に食いつぶしてしまう。

米カリフォルニア州パームデザートに住むバーバラ・ホープウェルさんにとって、女子競泳で著名な五輪メダリスト、サマー・サンダースさんを育てることは、午前4時25分の練習に車で送り、一流の指導を受けさせ、そして、全米競泳大会に連れて行くことを意味した。

その時、ホープウェルさんは、客室乗務員と不動産販売員、さらにはバジェット・レンタカーの従業員の仕事を交互に切り替えて働くシングルマザーだった。

「費用は安くなかった。チーム会費やスーツ、水泳帽、ゴーグル、水泳大会、ホテル、遠征中の食事など、毎月少なくとも400ドル(約4万1000円)はかかっていた。確かに負担だった」と彼女は言う。

五輪選考会や全米大学体育協会(NCAA)選手権大会など3つの主要な国内競泳大会すべてを、同じ月にこなしたこともあるという。ポープウェルさんは、その1カ月間、仕事を無給で休み、すべての旅費を自己負担しなければならなかった。

リオ五輪の米国代表団には、27競技に出場する555選手が含まれる。これは、彼らの夢をかなえるため、長年にわたり倹約して、お金を貯め、犠牲を払ってきた555の家族が全米に存在することを示す。

米誌フォーブズの試算によれば、体操選手の育成費用は毎年1万5000ドルほどに及ぶという。

他の競技ではさらに費用がかかる。フェンシングと卓球はそれぞれ年2万ドル、アーチェリーは2万5000ドルに上る。

「経済的な困窮は、多くの家族にとってまさに現実だ」とダラスのファイナンシャルプランナーで、体操選手の母親でもあるメリッサ・ブレナンさんは語る。彼女の子どもは複数の五輪選手を輩出したジムで練習をしている。

もちろん、才能あふれる子どもを誇らしく思う親なら誰でも、金メダルのチャンスを奪いたくはない。では、家族は退職金に手を付けず、自己破産に陥ることなしに、どう家計をやり繰りできるのだろうか。

専門家が指摘する秘訣は次のようなものだ。

●シェアリングエコノミーに参加

米配車サービスのウーバーや民泊仲介の米エアビーアンドビーといった企業が世界を席巻するはるか前から、新進スポーツ選手の親たちは「シェアリングエコノミー」についてよく知っていた。費用削減には、資金を出し合う以外に方法がないからだ。

「車の相乗りは素晴らしい。水泳大会での宿泊施設のシェアも大変助かる」。ホープウエルさんはこう話す。

●大学の奨学金を享受

選手たちはプロになるまで、契約金といった資金源を確保できず行き詰まる。しかし、トップレベルの選手は、うまみのある間接的な資金源を持っている。それは大学の奨学金だ。

大学の奨学金制度の専門家マーク・カントロウィッツ氏によると、NCAAのディビジョン1とディビジョン2に属する大学からのスポーツ選手奨学金は合計で年間27億ドルに達しており、15万人の学生選手に給付されている。

●クラウドファンドを利用

平均的な五輪出場選手は、わずか年2万ドルを稼ぐ。このため、GoFundMeやRallyMe、Sportfunderといった、不特定多数の個人から出資を募るクラウドファンド・サイトの出現が、アマチュア選手にとって天の恵みとなってきている。

米国の多くの現役の五輪選手は、リオ五輪出場に向けての費用を賄うため、クラウドファンドを利用している。その中には、レスリングのカイル・スナイダーや10競技のジェレミー・タイウォ、フェンシングのイブティハージ・ムハンマドの3選手が含まれている。

●早めに計画を立てる

多くのスポーツには、大会がほとんどなく、費用がかからないオフシーズンが存在する。このような休止時期中に、特別の口座にいくばくかの現金を稼せぎ続けることは重要だ。そうしないと、シーズン開始後の費用に打ちのめされることになる、とブレナンさんは話す。

●夢のような大金はない

いったん契約金が入り始めたら、いつの日か費用が回収されることを親が望むのは自然なことだ。

しかし、彼らは米ナショナルフットボールリーグ(NFL)や 米プロバスケットボール協会(NBA)の選手ではない。彼らは五輪選手だ。時おりスポーツ選手の写真が飾る米シリアル食品ウィーティーの箱を除けば、実入りのよい契約はそれほど多くない。

テキサス州に拠点を置くチャップウッド・インベストメンツのマネージング・パートナーで、多くのプロ選手の資産運用を担当するエド・ビュートースキー氏はそう指摘する。

「どうすることもできない。多くのお金を使うことになるだろう」と同氏は語る。「最終的に金メダルがあるかも、どんなお金になるかどうかもまったく分からない」

*筆者はロイターのコントリビューターで、個人的見解に基づいて書かれています。

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