[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日発表した5月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比6.9%増の1515兆2000億円となった。残高が過去最高を更新する一方で、伸び率は前月の7.8%を下回って2020年7月以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大で企業や個人の預金が増え始めた前年の反動が出た。
M3のうち、預金通貨は12.2%増の864兆8000億円で、伸び率は前月の14.1%から鈍化した。残高は過去最高。現金通貨は5.1%増の110兆4000億円。CDは32.3%増の32兆3000億円となり、伸び率が過去最高となった。前年同月にマイナス幅が拡大した反動によるもの。
M2は7.9%増の1168兆円で、残高が過去最高を更新した。
広義流動性は7.3%増の1995兆6000億円となり、伸び率、残高とも過去最高。広義流動性のうち、金銭の信託は13.4%増の335兆2000億円で、残高が過去最高となった。伸び率は2007年3月以来の高水準。3月末時点の資産価格の上昇で、信託の元本に追加する収益が増えた。
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