April 20, 2018 / 11:37 PM / 5 months ago

コラム:モルスタ、投資家に与えたボラティリティの難題

[ニューヨーク 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - モルガン・スタンレー(MS.N)は、ボラティリティという厄介な問題を株主に丸投げしつつある。

 4月18日、モルガン・スタンレーは、ボラティリティという厄介な問題を株主に丸投げしつつある。2012年撮影(2018年 ロイター/Eric Thayer)

同行は第1・四半期に躍進したライバル勢から重要分野を守り抜き、債券トレーディング収入を前期比で2倍超に増やした。これに減税が加わって近年で最も堅調な業績となり、ジェームス・ゴーマン最高経営責任者(CEO)自らがかなり控えめだと認めている各種目標をやすやすと上回った。

株主にとってのジレンマは、そうした動きがバリュエーションの上昇に値するかどうかだ。

今回の第1・四半期決算は、ゴーマン氏が2015年に着手した経営の抜本改革が機能しているとの見方を裏付ける。債券トレーディング収入は低調だった前期の8億ドルから19億ドルに膨らみ、ボラティリティが上がった1月にゴーマン氏が述べたように、著しい上振れ余地が秘められている。

モルガン・スタンレーが4年にわたって株式トレーダー最大手の地位に君臨し続けている意味もまた大きい。

この分野の収入の伸びを見ると同行は、ゴールドマン・サックス(GS.N)やJPモルガン(JPM.N)といった最も力が拮抗するライバルが昨年12月以降に達成した70%前後の半分ほどにとどまった。それでも26億ドルという収入額は、ゴールドマンを僅差でかわし、株式引き受けランキング首位の座を維持した。

さらに富裕層向け資産運用部門の税引き前で26.5%という素晴らしい利益率が追い風となり、第1・四半期の株主資本利益率(ROE)を年率14.9%とすることができた。これはゴールドマン、JPモルガン両行に迫り、ゴーマン氏が設定していた10─13%を簡単に超えた。

一方、投資家には新たな悩みがもたらされる。彼らは既に、モルガン・スタンレーとゴールドマンのどちらが高く評価されるべきか決めかねている。足元で両行の株価純資産倍率(PBR)はともに1.4倍弱だが、第1・四半期の業績だけに基づけばJPモルガンと同じ1.6倍強まで上がるのが妥当かもしれない。

問題は、業界全体でトレーディング収入、とりわけ債券や通貨、コモディティの収入改善が垣間見えた場合、過去の例ではそれが幻に終わっていることだ。

半面、減税や経済成長、主要中央銀行の政策のかい離、国際政治の不安定化の高まりなどはすべて、高いボラティリティを持続させてもおかしくない。かつて痛い目にあった株主たちは、慎重に振る舞わなければならないと分かっている。

●背景となるニュース

・モルガン・スタンレーが18日発表した第1・四半期利益は27億ドルだった。1株利益は1.45ドルで、アナリスト予想の1.25ドルを超えた。収入もアナリスト予想の104億ドルを上回る111億ドルになった。株主資本利益率(ROE)は年率14.9%。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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