[17日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーが17日に発表した第4・四半期決算(12月31日まで)は利益が41%減となったが、市場予想ほど落ち込まなかった。市場のボラティリティーがトレーディング事業の追い風となり、ディールメーキングの停滞による打撃を相殺した。
第4・四半期の投資銀行事業の収入は49%減の12億5000万ドル。アドバイザリー、株式、債券の各部門で減収となった。
これが重しとなり、純収入は12%減の127億ドルとなった。
一方、トレーディング部門の収入は26%増の30億2000万ドル。市場リスクをヘッジするために顧客がよりディフェンシブな資産を増やすようポートフォリオを変更した。
米利上げに伴う金利収入の増加を背景にウェルス・マネジメント部門の収入も6%増加した。
調整後ベースでは希薄化後1株利益が1.31ドル。
普通株主に帰属する利益は21億1000万ドル(希薄化後1株当たり1.26ドル)だった。
リフィニティブがまとめた1株利益のアナリスト予想は1.19ドルだった。
米景気後退や消費者信用の質悪化などが懸念される中、貸倒引当金繰入額として8700万ドルを計上した。前年同期の計上額は500万ドルだった。
モルガン・スタンレーは昨年12月に2%の人員削減を実施。さらなる人員削減を検討しているのかとの質問に対し、シャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は「現状に満足している」と答えた。
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