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国内株から資金引き揚げも、増資/デフレ懸念で

 [東京 18日 ロイター] 18日の金融市場は小動き。株式は引き続き、増資による需給悪化懸念やデフレ懸念が強く、米株高や商品市況上昇についていけない。海外勢は新興国市場への関心を一段と強めており、株価回復には来年度以降の業績回復の確認が必要との声まで出ている。

 11月18日、株式市場は引き続き、増資による需給悪化懸念やデフレ懸念が強い。写真は昨年10月、東京証券取引所で(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)

 一方、乱高下を演じた円債市場は、財政悪化と好需給という材料をいったん消化しており、一転して静かな取引となっている。

 <政策期待薄く>

 株式市場では日経平均が小幅続落。TOPIXは下げ幅が大きく5月1日以来、約半年ぶりの安値を付けている。米国株高や円高一服など外部環境は悪くないが、相次ぐ企業の増資発表で需給悪化への警戒感が高まっている。政府が20日に示す月例経済報告でデフレを公式に認定するのではないかとの観測もあり、株式市場から資金を引き揚げる動きも出ている。

 「日経平均は一部の値がさ株が下支えしているが、実質的には弱い相場だ。政策への期待感が持てず海外勢は米系、欧州系とも売りが先行している。三菱UFJ8306.Tの正式な増資発表を見極めたいとのムードもある」(東海東京証券エクイティ部部長の倉持宏朗氏)との声が出ている。

 日本株は民主党が政権をとった8月末を高値としてほぼ一貫した下落基調をたどり、世界の株式市場と比べてアンダーパフォームの状態が続いている。

 SBI証券投資調査部長の鈴木英之氏は「日本の民主党がどういった政策を実施するのか、マーケットは民主党との距離を測りかねている」という。鈴木氏は「投資家はパフォーマンスが好調な新興国市場があるのだから無理に日本株に投資する必要はないとみているのだろう。ヘッジファンドなどは決算対策のためにこの時期、低パフォーマンスの株式を売却する傾向がある。本格的に株価が戻るには来年度以降の国内企業の業績回復などが確認される必要がある」と話している。

 <材料一巡感>

 円債市場は材料難でこう着。前日の米債市場の上昇を受けて買いが先行したものの、さらに上値を試していく手がかりには欠けたうえ、急上昇の後だけに高値警戒感もある。あすに20年利付国債の入札を控えているため様子見姿勢が一段と強まった。

 10年最長期国債利回り(長期金利)は前日比横ばいの1.300%での推移が続いていたが、その後やや緩み、同1bp高い1.310%で前引けた。心理的節目ともいえる1.300%までの低下が速かったが「さすがに戻り売りが出やすい水準」(国内証券)とみられ、前日も先物139円台前半、長期金利1.3%手前では売りが厚かった。

 あす20年債入札を控えて前日に買われていた超長期債にも調整売りが出ていたが、入札に強い警戒感を抱く声は少ない。生保や年金勢が来月の国債大量償還に向け年限長期化の目的で超長期債を買い進むなど、全般的に同ゾーンの需給は良好。

 しかし、先物、現物債ともに手掛かり難で方向感には欠ける。ファンダメンタルズと来月の大量償還という買い方向の材料と、政府の財政運営そのものに対する不安を含めた財政リスクという売り材料があり、足元は「どちらの材料もいったんは一巡した」(別の国内証券)状況、という。

 <ドル売りも一服>

 ドル/円は89円前半で方向感に乏しく、「ボラティリティが低下し、取引にも厚みがない。ストップロスをねらいにいっても相場が走らないことをこれまでに確認しており、仕掛けにくい」(邦銀)との声が出ている。

 朝方は投信がらみとみられる証券会社のドル買いとファンドのドル売りにはさまれ、仲値でも大きな偏りはなかったという。「一目均衡表の『クモ』下限が89円後半まで下りてきており、ドルの戻り余地を狭めている」(国内金融機関)との声が聞かれる。

 ドル/円は前日欧州時間に88.73円まで売られて1カ月ぶり安値を更新したが「むしろ、下を攻めきれなかったというイメージ。88.75円から下にストップロスが断続的にあったようで、これをねらってみたが走らなかった。売り仕掛けがワークしない」(邦銀)という。

 その後は、ドルの幅広い買い戻しのなかでドル/円も89.55円まで値を戻したが、戻りの上値もここまで。東京市場では方向感を見失っている。

 ドルの金利への反応も薄い。LIBORレートのドルと円の逆転は6カ月物まで広がり、2年債利回りは0.76%まで、10年債利回りは3.32%まで低下するなか「基本的には米金融緩和の長期化をベースとするドル売りが続くとみているが、目先、何を手掛かりにするかみえにくくなっている」(国内金融機関)との声も出ている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩)

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