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東京市場、財務相の進退問題や海外勢の仕掛けを警戒

 [東京 6日 ロイター] 6日の東京市場は株高、債券安。米経済の回復に期待した海外勢の日本株買いが続いており、日経平均は戻りを試す展開だ。

 1月6日、東京市場で日経平均は戻りを試す展開だ。写真は2006年4月、東京証券取引所で(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 後任人事が不透明なままで藤井財務相の辞任をめぐる動きが表面化していることについて市場は消化難。積極財政論者が登場することはない、とのコンセンサスはあるものの、海外勢がどのような投資行動をとるのか警戒するムードはある、という。

 <欧州勢が買い先行、政治的な不透明さが重し>

 株式市場では日経平均が続伸。手がかり材料に乏しい中で欧州勢の買いが先行したほか、銀行株を中心とする金融セクターに買い戻しが入って指数を押し上げた。ただ8日発表の米12月雇用統計を控えて様子見ムードは強く、買い一巡後は伸び悩んでいる。

 「メガバンクが上昇し公募増資に関するアク抜け感が出たことは追い風だが、政府のデフレ対応策が不明確なほか、小沢民主党幹事長の資金管理団体をめぐる問題、財務相の進退問題など政治の不透明感は否めず、本格的なボトムアップの買いを入れる環境ではない」(東海東京証券エクイティ部部長の倉持宏朗氏)との声が出ている。かざか証券・市場調査部長の田部井美彦氏は「藤井財務相が仮に辞任しても、それだけではネガティブ視されないだろうが、後任に有力な候補がいないとの声も多い。スムーズに交代できるかが焦点」という。

 海外投資家は昨年12月の買い越し額が1兆円(第4週発表分まで)を超えたが、年明け以降も買い越し基調が続き、「日本株へのスタンスが強気に転じた」(外資系証券)との見方が増えている。

 みずほ証券投資情報部マーケットアナリストの高橋幸男氏は「日本株の見直し姿勢が強まっている背景には、世界的な景気回復で輸出関連など景気敏感株に投資妙味が出てくるとの期待感がある。一方、アジア枠のポートフォリオとしてみた場合、中国は成長率が高い半面、引き締め懸念が台頭していることから相対的に日本を選好し始めたとみられる」と分析している。

 <日本国債のネガティブキャンペーン警戒>

 円債市場は軟調な展開が続いている。残存5年ゾーンから、残存20年ゾーンにかけた国債流通利回り格差が広がり、同ゾーンのイールドカーブがスティープニングする形状となった。

 背景には、10年物の利付国債入札をにらんで証券会社などが10年物や20年物の保有国債残高を調整するため、売りを出しやすいことに加え、藤井財務相が辞意を表明したとの報道が伝わった影響もあったとみられる。邦銀の運用担当者は「海外のヘッジファンドが、国債先物を売りながら、ペイヤーズのスワップションを持ったりしているのではないか。日本国債のネガティブキャンペーンが始まることに対し、警戒感がある」と話した。

 後任候補をめぐっては「財務副大臣の繰り上げや、菅副総理兼国家戦略・経済財政担当相の兼務、亀井郵政・金融担当相(国民新党代表)の兼務などが、市場で取りざたされているが、いずれにしても実際に予算を組んだ人材でなければ、国会答弁が持たないのではないか」(外資系金融機関)との声が聞かれる。市場には「(実際に辞任となった場合)お祭り相場となり、急ピッチで長期金利が上昇し、しばらくスティープニング傾向が続く可能性がある」(外資系証券)との見方もあった。

 <米長期金利低下で円高>

 外為市場では、米長期金利低下を背景にドル/円が91円半ばまでいったん下落したあと、オプションに絡んだドル需要やクロス円の急反発で、92円付近まで反発した。

 週末に米雇用統計を控える外為市場では、年初のドル安を主導してきた短期筋によるドル・ロングの投げは一巡したとの声も聞かれる。

 「(前日の安値)91.25円をつけたところで、調整はいったん終わったのではないか。現在は週末の米雇用統計を待つスタンスで、現行水準からドル/円が大きく下押しするリスクは限られるとみている」とドイツ証券シニア為替ストラテジスト・深谷幸司氏は言う。

 また、藤井財務相辞任報道について、深谷氏は「市場のイメージとしては、藤井財務相は円高論者だったので、円高派の離脱というストーリーが描けるのかもしれないが、実質的な影響はないだろう」としたうえで「気になるのは辞任に至る背景だ。健康上の問題に加え、予算編成にからんで党内での確執があったことが推測される。鳩山政権の安定性に不安が残るという意味では注視が必要だ。結論として、藤井氏の離脱は円買い要因ではないと言えるだろう」と言う。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩)

*見出しを修正して再送します。

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