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エジプトの混乱拡大、市場にも影響:識者こうみる

 [東京 31日 ロイター] ムバラク大統領の退陣を求める大規模な反政府デモが続くエジプトでは30日、国民の民主化要求に応じるよう大統領に求める国際的圧力が米国を中心に強まる中、大統領が軍の司令官らと会談した。軍が大統領に辞任を促す兆候は今のところ見られない。

 1月31日、大規模な反政府デモが続くエジプトでは、国民の民主化要求に応じるよう大統領に求める国際的圧力が米国を中心に強まっている。写真はカイロで軍兵士を囲む市民ら。30日撮影(2011年 ロイター/Goran Tomasevic)

 エジプトでは各地での騒乱で6日間に100人以上が死亡し、中東情勢に対する投資家の懸念が高まっている。 

 エジプトの政治的混乱に関する市場関係者のコメントは以下の通り。

●原油価格上昇でインフレ連想、債券の上値抑える

 <みずほインベスターズ証券 チーフマーケットエコノミスト 落合昂二氏> 

 基本的にエジプトの暴動は質への逃避を促している。円高、債券高、株安として日本市場に引き継がれている。ただ、債券に関してはなかなか上値を追い切れないとみている。エジプトの暴動が中東の産油国に広まるリスクを考えて、原油価格が跳ねてきている。このまま原油価格が上昇すると、インフレへの連想が働き、債券も上値が抑えられやすい。

 ●短期筋がリスク資金巻き戻し、パニック的様相はない

 <立花証券 執行役員 平野 憲一氏> 

 株式や原油、金などに流れ込んでいた短期筋のリスク資金が巻き戻されているが、パニック的な様相はない。もちろん今後の推移を見極める必要があるが、国家間の紛争というわけではなく、実需筋などは現時点では様子見となっている。

 順調な企業業績や、先進国の財政支出や金融緩和策など株価を支えるファクターは継続しており、エジプト情勢が落ち着けば、再びリスク選好の地合いに戻りそうだ。

●米株利食い売りのきっかけ、国際的波及を注視

 <みずほ総研 シニアエコノミスト 武内浩二氏>

 エジプトの混乱でドル買いなどリスク回避の流れとなっており、東京市場は輸出株を中心に弱含んでいる。エジプトの混乱自体はそれほどインパクトがあるわけではないが、前週にダウ工業株30種.DJIが1万2000ドルを付けるなど、米株に利益確定売りが出やすい状況だったことから、そのきっかけになったとみられる。日経平均株価.N225は足元で150円程度下げているが、これから始まる中国やインドなど、アジア株をはじめ国際的に波及することへのリスクを注視する必要があるだろう。

●原油高が日本企業の収益圧迫、クレジットのワイド化要因

 <新生証券 債券調査部 シニアアナリスト 松本 康宏氏>

 端的に原油の安定確保ができるのかどうかが焦点となってくる。実際に原油価格が上昇しており、混乱が長引けば日本経済に打撃を与える可能性が出てくる。エジプトだけでなく中東全体の政治情勢が不安定になれば、為替・株式など金融マーケットへの影響は避けられない。米国にとっても親米のエジプトは中東の要なだけに、それが揺らぐと国際政治にも大きな影響を与えかねない。

 原油高がコスト高に直結する日本企業には収益の圧迫要因になる。中東の混乱が長引けば日本企業のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、指標のiTraxxJapanシリーズ14ITJJP5Y=GFにワイド化圧力がかかりやすくなる。すでにエジプトのCDSはワイド化しており、他のソブリンCDSに波及する恐れがある。

●ユーロ売りの絶好の口実、親米政権で政治的意味合い大きい

 <バンクオブアメリカ・メリルリンチ FXストラテジスト 藤井知子氏>

 為替市場にはユーロ売りの絶好の口実になった。ECB(欧州中央銀行)がインフレを警戒する言動を示したことなどを材料にユーロは買われてきたが、欧州の債務問題が解決したわけではなく、みんな利食いのタイミングを図りかねていた。

 エジプトは主要な産油国ではなく、これで収束すれば影響は限定的と考える。今のところ弊社の中東担当者は、事態が長引いたり拡大するとは考えておらず、湾岸諸国に対して悲観的ではない。

 しかしエジプトは親米政権であり、政治的には重大な意味合いがある。他の中東諸国がどういう行動に出るか、注意する必要はある。

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