[モスクワ 16日 ロイター] ロシアの国営原子力企業ロスアトムのキリエンコ社長は16日、深刻化している福島原発での事故について、「最悪のシナリオに陥っている」と述べた。
キリエンコ氏はロイターに対し、「他の複数の原子炉にも影響が及ぶというシナリオを予測していたが、昨日(15日)それが現実になってしまった」とし、「残念ながら、現在は最悪のシナリオとなっている」と述べた。
また、福島原発での事故が、ロシアが海外で進めている原発建設事業に影響を与えるかとの問いに対しては、「当然そうなる」との見解を示した。
一方、メドベージェフ大統領は、同国訪問中のトルコのエルドアン首相と会談し、ロシアがトルコで原発建設を進めることで合意。
同大統領は会談後の会見で「皆が『原子力は安全なのか』と質問するが、答えは明らかだ。建設地の選択や原子炉の設計を適切に行えば安全だ」と強調した。ロシアでは現在、国内電力需要の16%が原子力発電でまかなわれている。
ロシア外務省は16日、在日ロシア大使館で勤務する外交官の家族について、今週中に退避を始めることを明らかにした。