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ユーロ圏債務国への圧力高まる、新たなリスク浮上

 [ロンドン/アテネ 23日 ロイター] 23日の金融市場では、スペイン、ギリシャをめぐるリスクの高まりへの警戒感や、格付け機関がイタリア、ベルギーをめぐる新たな懸念をもたらしたことから、債務問題を抱えるユーロ圏諸国に対する圧力が高まった。

 5月23日、金融市場では債務問題を抱えるユーロ圏諸国に対する圧力が高まった。シドニーで昨年5月撮影(2011年 ロイター/Daniel Munoz)

 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21日、絶対ベースでユーロ圏最大の債務を抱えるイタリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。

 これを受けた説明文書でS&Pは、イタリアには「大幅な不均衡が存在しないため」国際通貨基金(IMF)、もしくは欧州連合(EU)への金融支援の要請はないと予想しているとした。ただ、イタリアの公的債務が「かなりの規模」に膨れ上がっていることを踏まえると、国際社会による効果的な救済は非常に困難になるとの懸念も示した。

 イタリア政府筋が23日語ったところによると、同国政府は、市場に安心感を与えるため、350億─400億ユーロ(500億─560億ドル)の財政赤字削減計画を来月に前倒しして発表する方針。政令によって発表されるこの計画は、2014年の均衡財政達成を目標にしている。

 一方、格付け会社フィッチ・レーティングスは23日、ベルギーの「AAプラス」格付けの見通しを「ネガティブ」とし、予算均衡に関して政治的合意が得られず赤字削減目標が達成できなかった場合、格付けを引き下げると警告した。

 スペインでは、週末の地方選挙で与党社会労働党が大敗し、同国がギリシャ、アイルランドに続いて救済される事態を回避しようとするなか、中央政府と地方政府が赤字削減をめぐり対立するリスクが浮上している。

 23日のユーロ圏金融・債券市場では、イタリアとスペインの国債10年物の対独連邦債利回りスプレッドがそれぞれ186ベーシスポイント(bp)と261bpとなり、ともに1月以来の高水準をつけた。その後はやや低下した。

 ウエストLBの金利ストラテジスト、マイケル・レイスター氏は「重要なポイントは、底堅いと見なされている周辺国にさえ危機が広がりつつあるとみられる点だ」と指摘した。

 欧州で債務危機が拡大しつつあるとの懸念を背景にユーロは一時、重要な支持線である1.40ドルを下抜け、対ドルで2カ月ぶりの安値をつけた。

 同様の懸念から、株式市場も打撃を受けた。ミラノ株式市場は3.3%下落。FTSEユーロファースト300種指数は1.6%安。

 ギリシャは23日、EU/IMFからの次のトランシェとなる6月の120億ユーロの支援獲得と2011年の財政健全化目標達成に向け、民営化プログラムを打ち出し、新たな財政赤字削減措置を発表した。

 同国は、債務削減に向けて通信企業OTEOTEr.ATやヘレニック・ポストバンクGPSr.ATなどの保有株式をまず売却し、最大55億ユーロを調達する方針。

 ギリシャ国債10年物の利回りは、「自発的な」債務の再構築(reprofiling)をめぐる懸念から、一時17%超に上昇した。

 報道官によると、ギリシャのパパンドレウ首相は「われわれは、危険を回避し、国を変えるために必要な決断を下している」と語った。

 新たな財政赤字削減計画には、公務員の一段の賃金引き下げや消費者関連の増税に加え、これまで触れられなかった正規雇用公務員の解雇なども盛り込まれた。

 ギリシャをめぐっては、何らかの形で債務の再編が政策に盛り込まれるべきかどうかをめぐり、IMF、欧州中央銀行(ECB)、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相の間で議論が展開されており、市場のセンチメントは悪化している。

 EUの執行機関である欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は23日、信用事由(クレジットイベント)につながらなければ、ギリシャ国債の自発的な償還期限延長は可能との立場を示した。 ただ同委員は、ギリシャが財政緊縮化を一段と推し進め、民営化プログラムを実行することが依然として重要であるとの考えを示した。

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