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日立がHDD事業売却へ、候補に複数ファンド=関係筋

 [東京 27日 ロイター] 日立製作所6501.Tが不振のハードディスク駆動装置(HDD)事業売却の方針を固め、フィナンシャル・アドバイザーの選定など具体的手続きに入ったことが27日、明らかになった。すでに複数の投資ファンドと接触を始めている。複数の関係筋が明らかにした。

 同社は、最大の経営課題のひとつであるHDD事業の売却に乗り出すことで、他の電機大手に比べて立ち遅れている「選択と集中」を本格化する。

 関係筋によると、日立は同事業売却のフィナンシャル・アドバイザーとして米投資銀行、メリルリンチMER.Nを選定する方向で調整している。メリルリンチを通じ、すでに複数の投資ファンドと売却に向けた折衝を始めた。

 買い手候補にあがっているのは、TPG(旧テキサス・パシフィック・グループ)[TPG.UL]、カーライル・グループ[CYL.UL]とIT関連の投資に強いとされるシルバーレイク・パートナーズの米系投資ファンド3社。ただ、日立がHDD事業全体を売却するのか、一部の売却にとどまるかは明確になっていない。関係筋は「交渉は始まったばかりで、結論は不透明だ」としている。

 日立は2002年12月に米IBMIMB.NからHDD事業を2000億円以上で買収し、自社のHDD部門と統合、03年1月に日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)を設立した。しかし、生産効率の悪さやHDD価格下落などにより、2006年度までに4期連続の営業赤字を計上。08年3月期も330億円の営業赤字見通しとなっている。

 日立は昨年11月、09年度までに営業利益率を5%に引き上げる新経営計画を発表。その際、同社独自の付加価値指標(FIV)に基づく収益管理で、赤字が2年続き、再建計画の策定後2年以内に黒字化しない場合は事業から原則的に撤退する、との方針を示した。5期連続で営業赤字見通しのHDD事業は再建か撤退かの決断を迫られており、日立内部では「赤字垂れ流しはいけない」(幹部)との危機感が高まっていた。

 日立の広報担当者はロイターの取材に対して、HDD事業の売却についてコメントを拒否した。メリルリンチ日本証券の広報担当者は「そのような事実は確認できない」と述べた。

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