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波紋広がる中川財務相のG7会見、首相は続投指示

 [東京 16日 ロイター] 中川昭一財務相兼金融担当相が7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)終了後の会見で、記者とのやりとりがちぐはぐだった問題が16日、各方面に波紋を広げた。

 2月16日、中川財務相兼金融担当相がG7終了後の会見で、記者とのやりとりがちぐはぐだった問題が、各方面に波紋を広げた。写真は14日、ローマで行われた記者会見で(2009年 ロイター/Chris Helgren)

 中川財務・金融相は、記者会見前に飲酒をしていた事実がないことや、かぜ薬を多めに飲んだことが原因などと釈明、麻生太郎首相は続投を指示した。ただ、民主党など野党は、国際会議における会見の場での失態を問題視、参院への問責決議案の提出も辞さない構えで、今後の予算審議への影響が懸念される。

 中川財務・金融相は16日夜、官邸での麻生首相との会談後に記者団に対し、首相から「引き続き(財務・金融相を)やってほしい」と続投の指示を受けたことを明らかにし「非常に重い仕事だと思う。緊張感を持ってやっていきたい」と身を引き締めた。

 麻生首相は、自身の任命責任を問われ「本人の健康管理に関してはあるかもしれない」としながらも、「これまで確実にいろいろ仕事をやってもらったと思って感謝している」と述べ、財務・金融相としての職務上は問題がないとの認識を示した。

 これに先立つ午後の衆院財務金融委員会で野党側は、事実関係や経緯を本人に追及。記者会見前に飲酒をしていたのではないかと追及した。

 中川財務・金融相は終始、会見前の飲酒を否定するとともにかぜ薬を多く飲んだことが影響したと説明。「反省している」と陳謝する一方で、「日本の立場をきちんと主張し、会議の目的は十分に達した」とG7会合自体に影響はなかったと主張した。

 もっとも、野党サイドは「財務相としての資質の問題だ」(野党関係者)として一歩も引かない構えで、参院への問責決議案の提出を検討している。

 これに対して自民党では、細田博之幹事長が役員会終了後の会見で、野党から問責決議案が出された場合は無視するのか、との問いに「そうだ」と言明。

 問責を与党が無視すれば、野党の審議拒否も想定され、厳しい経済情勢の中で待ったなしの予算審議への影響が懸念される。

 さらに、与党内でも強い影響力を持つ森喜朗元首相が16日午前のTBSテレビで、麻生太郎首相と昨年9月の組閣時に意見交換したとし「電話では話したが、選考にはいろいろ異議がある」と述べた。共同通信は同日午前にこの点を取り上げ、森氏は中川氏の閣僚としての適格性に疑問を投げ掛けたとしており、火種としてくすぶり続ける可能性がある。

 (ロイター日本語ニュース 伊藤 純夫)

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