[東京 24日 ロイター] 今週は、米銀のストレステスト(健全性審査)や米クライスラー[CBS.UL]再建計画の行方をめぐって思惑に振らされる週になりそうだ。
ともに今後の金融市場のトレンドを決める材料になる可能性もある、とみられており、警戒感が強まった場合、あらためて円買い/株売り材料になる、との声も出ている。国内では、企業決算、日銀の展望リポートが注目されている。
<マクロ関係>
●09年度補正予算案審議スタート、27日に財政演説・28日から代表質問
政府は27日に、国費ベースで15.4兆円の追加経済対策を盛り込んだ09年度補正予算案を国会に提出する。同日には与謝野馨財務相が財政演説を行い、28日からは同演説に対する各党代表質問が始まる。予算委員会での実質審議入りは政治的な思惑もからみ未定だが、民主党は解散・総選挙をにらみ補正予算案は一時しのぎの場当たり的なものと追及する構えだ。
●日銀が30日に展望リポートを公表、09年度成長率見通しを下方修正へ
日銀は30日に「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を発表する。09年度の実質国内総生産(GDP)成長率の大勢見通し(中央値)はマイナス2.0%から大幅に下がりそうで、マイナス3─4%程度を軸に検討される可能性が高い。ただ、年度後半からの回復シナリオの大枠は維持する方針。このため、数値の見直しが追加策に直結することはなさそうだが、海外発の追加ショックが起きる可能性も否定できず、引き続き高い警戒態勢を維持する。
<マーケット関係>
●株式市場はボックス圏、国内企業決算や米ストレステストで様子見
東京株式市場は、ボックス圏での動きが予想されている。買い戻しのエネルギーは引き続き強く下値は底堅い半面、国内企業決算の前半のピークを迎えて今期見通しへの慎重な見方が強く、上値を追う展開は期待できないという。 米国では大手銀行19行を対象としたストレステストの結果公表が5月4日に控えるほか、自動車大手のクライスラー[CBS.UL]が来週にも破たん申請するとの一部報道もあり、見極めたい材料が多い一週間となりそうだ。
●外為市場はイベント多く荒い値動きか、株軟調なら円に上昇圧力
外為市場は、値動きの荒い展開となる可能性がありそうだ。ストレステスト(健全性審査)をめぐる米銀の動向や米クライスラー[CBS.UL]再建計画の行方など、当面の金融市場動向を左右しかねないイベントが数多く予定されている。結果として世界的に株価が下落基調をたどれば、円の買い戻しがさらに強まる可能性もあるという。
●長期金利1.4%台前半で推移、大型連休入りムード出始め取引細る
円債市場は、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りが1.4%台前半を中心に推移する見通し。需要面は、来週半ばから大型連休入りというムードが出始め、投資家、ディーラーともに動きは鈍くなるとみられている。
<企業ニュース関係>
●3月期決算発表が最初のピーク、上場企業の20%が登場
2009年3月期決算発表が最初のピークを迎える。5月1日までに発表する企業は約300社に上り、3月期企業の約20%が開示することになる。27日にはコマツやシャープ、28日はホンダなどが登場。発表が進むに連れて、10年3月期のトレンドが明らかになりそうだ。