[ニューヨーク 31日 ロイター] - 31日の米国株式市場は急落。S&P総合500種は1日としては4月以降で最大の下げを記録したほか、月間ベースでも1月以来の下落となった。一連の経済指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が一部の予想よりも早い段階で利上げに踏み切る可能性があるとの懸念が高まった。
ダウ工業株30種.DJIは317.06ドル(1.88%)安の1万6563.30ドル。
ナスダック総合指数.IXICは93.13ポイント(2.09%)安の4369.77。
S&P総合500種.SPXは39.40ポイント(2.00%)安の1930.67。
S&P総合500種とナスダック総合の下落率は4月10日以来の大きさ。ダウ工業株30種も2月3日以来の下落率だった。
またS&P総合500種が4月15日以降で初めて50日移動平均を下回って引けたことで、さらなる値下がりの可能性が示唆された。
米労働省がこの日発表した第2・四半期の雇用コスト指数の前期比上昇率は約5年半ぶりの高さになった。
プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「賃金の上昇が見え始めているとすれば、FRBの使命達成が近づいているというシグナルになる」と指摘した。
アルゼンチンが債務不履行(デフォルト)に陥ったことも地合いの悪化につながった。
投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX指数).VIXは4月11日以来の水準まで上昇した。
石油のエクソン・モービルXOM.Nは4.2%下落。第2・四半期の利益は予想を上回ったが、生産量は減少した。
前日に4回目の業績見通し下方修正を行った有機食品小売りのホールフーズ・マーケットWFM.Oは2.3%下げた。
食品のクラフト・フーズ・グループKRFT.Oは、前日発表した第2・四半期決算で売上高の増加がわずかにとどまったことが嫌気され、6.4%下落。ナスダック銘柄で最も下げがきつくなった。
ビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のリンクトインLNKD.Nは、時間外取引で8.9%上がった。日中取引終了後に発表した第2・四半期決算は増収となり、第3・四半期の業績見通しも予想より好調だった。
BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の合算出来高は約78億株で、7月平均の56億株を大幅に上回った。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル).DJI
終値 16563.30(‐317.06)
前営業日終値 16880.36(‐31.75)
ナスダック総合 .IXIC
終値 4369.77(‐93.13)
前営業日終値 4462.90(+20.20)
S&P総合500種.SPX
終値 1930.67(‐39.40)
前営業日終値 1970.07(+0.12)
*内容を追加して再送します。
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