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日経平均が一時400円超安、長期金利はさらに低下:識者はこうみる

[東京 16日 ロイター] - 16日の東京マーケットでは、前日の米国株市場が急落したことを嫌気して、株式市場で一時、日経平均が400円を超える下げになった。バリュエーションの割安感も指摘され、押し目買いが優勢になるのか注目が集まっている。世界経済をけん引してきた米国経済の腰折れ懸念が強まれば、株式市場には一段の下げを警戒する声もあがっている。

10月16日、東京マーケットでは、日経平均が一時400円超安、長期金利はさらに低下している。都内で14日に撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●ドルロング持ちづらい

<あおぞら銀行 為替マーケットメイク課長 諸我晃氏>

米国で株式が大幅に下落し、金利も大きく下げた。長期的に持てる投資家は押し目買いの好機としてドルを買ってくるだろうが、不透明要因が多いこの状況で短期筋などは手が出せない。

米景気が想像していたほどの強さではないと分かってきたが、一部報道によるとイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が非公式会合で、米経済は今後3%程度の成長を遂げるとともに、インフレ率もFRBの目標水準に回帰するとの見方を示したという。そこまで悲観的ではないような気もするので、105.50円どころをキープできていれば調整の範囲内というイメージはある。

ただ、米国の株式と金利に何らかの反転の兆しが出てこない限り、ドルのロングポジションは持ちづらい。市場参加者は106円半ばを超えてからポジションを作っても遅くはないという心理になっているのではないか。

●年内の金利反転はなさそう

<JPモルガン証券 チーフ債券ストラテジスト 山脇貴史氏>

米債市場でショートが溜まっており、きのうのタイミングでショートカバーが引き起こされた感じだ。ベースラインは利上げの前倒しが簡単な話ではなく、欧州でマイナス金利の政策が取り入れられている中で、米国の金利も引っ張られている状況がある。米金利が低位安定している。

日本の投資家は米債、欧州債に投資してきた中で、その絶対水準が低くなればなるほど、日本の国債に資金を戻してくるような動きが出てきそうだ。目先の金利の低下余地に関しては、0.45%アラウンドとみている。ただ、日本の追加緩和期待も浮上してくる可能性があるため、日本の国内要因で金利の低下余地が出てくることも考えられる。年内の金利の反転上昇はなさそうだ。

●再増税厳しい

<中銀証券本店営業部次長 中島肇氏>

寄り付きから信用取引の担保割れに伴う処分売りが大量に出たようだ。個人のマインドは陰の極にある。世界景気の減速懸念に加え、投資家は米国でのエボラ出血熱感染問題に敏感になっている。一方、海外投資家は日本の消費税再引き上げの有無を注視している。グローバルな換金売りが一巡しても、消費税率引き上げ問題がはっきりするまで海外勢の買いは入りにくい。現状の国内経済状況を考えれば消費再増税は厳しい。日本株の本格反騰には消費増税を延期したうえで、内需主導での政策対応が必要になる。

●日本株は少しずつ戻す

<エース経済研究所 子幡健二社長>

米国株については需給の整理が一巡した印象だ。10月15日を期限にファンド勢の解約売りが出ると見込まれていたが、最後にそれが出たとみている。米小売売上高などが売り材料にはなったものの、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表したベージュブック(地区連銀経済報告)では、景気が緩やかに拡大していることが確認された。小売りが伸びていなくても、雇用は回復している。ガソリン価格も低下しており、個人消費が大きく落ち込むとはみられていない。

今後は米グローバル企業の決算が控えており、欧州経済の業績への影響などが注目されるが、全体としては増益になる予想が出ている。堅調な内容を受け、少しずつマーケットは自信を取り戻していくはずだ。また朝方の東京市場では実需筋の買いも入っているようだ。きょうの水準が底となるだろう。円安が進めば、大引けにかけて日本株は戻していくとみている。

米国のQE1(量的緩和第1弾)、QE2終了時には、日米ともに株式市場は下落した。今回は、今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3が終われば、また株式市場が下落するのではといった市場関係者の意識に加え、欧州経済の失速や地政学的リスクなどの売り材料が重なった形だ。

●ポジション調整は一巡

<大和証券 マーケット・アナリスト 熊澤伸悟氏>

10月に入って8月中旬以降の株高を演出した短期資金が流出している。世界景気の減速懸念や米テーパリング(緩和縮小)終了による悪影響を嫌気しているのだろう。

ただ日経平均は8月8日安値以降の上昇分をすべて吐き出しており、ヘッジファンドや欧米銀行の自己勘定部門など短期筋によるポジション調整は一巡したとみられる。個人投資家の動向では、待機資金であるMRF残高が株安につれて減少しているほか、レバレッジ型のブルファンドに資金が流入しており、押し目買い意欲は強い。8月中旬以降は信託銀行経由で年金資金の継続流入もみられ、足元では年金勢のリバランス買いも想定される。日経平均は目先1万4500円程度を下値めどに反転が期待できそうだ。

●米経済は回復基調

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ為替ストラテジスト 植野大作氏>

米小売売上高やニューヨーク州製造業業況指数が弱い数字だったのは確かだが、米経済の回復基調は継続しているとみている。ドル/円は、1カ月で110円に上昇したのも、そこから2週間で105円台に下落したのも、ともにスピード違反気味だったといえ、目先の調整はまだスピード調整の範疇と判断していい。105円の水準では、ドルの上昇に追いつけていなかった向きの押し目買いが入りやすいだろう。

市場にとって想定外の要因だったのは、エボラ出血熱の問題だろう。米国で感染が広がりを見せれば、株価にとってはかなりの悪影響をおよぼしかねず、今後も波乱要因になる可能性がある。

さすがにダウ平均が連日の下落で短期間に850ドルも低下すると、景気の「気」の部分が悪くなってくる。今月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、足元の株式相場を受け、参加メンバーがどういう判断を示すかが焦点になる。メーンシナリオは従来通りテーパリング(量的緩和の縮小)終了だが、仮に株式相場が崩れ続けていくのであれば、いったんテーパリング終了を見送るというシナリオもあり得るだろう。

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