for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

バーナンキ米FRB議長の会見要旨

[ワシントン 18日 ロイター] - バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に行った会見の要旨は以下の通り。

12月18日、バーナンキ米FRB議長がFOMC終了後に会見を行った。ワシントンで同日撮影(2013年 ロイター/Jonathan Ernst)

<インフレが上昇する公算が大きい理由>

インフレ率は段階的に2%の水準に戻ると予想する。まずは、ヘルスケアコストなど、異例に低かった一部要因が反転する可能性があるためだ。

金融市場や調査で示されるインフレ期待などのインフレのファンダメンタルズに加え、国内外で成長加速が見込まれている点や、多くの指標は賃金が2%程度増加していることを示していることに目を向ければ、これらの要素はすべてインフレが徐々に加速することを示唆している。

<インフレ率>

インフレ率は望ましい水準には戻っておらず、回復には運とすぐれた政策が必要だ。ただ、われわれはインフレが過度に低水準にとどまらないよう積極的に措置を講じており、今後も注意深く監視を続け、必要な行動を取る。

インフレ率を迅速に目標水準に引き上げるのは困難だ。

<回復への長い道のり、低インフレ>

失業は高止まりしており、回復は明らかに完全な状態からは程遠い。不完全雇用と長期失業はなお主要な懸念となっている。

これだけでなく、労働参加率も低下している。これは高齢化社会の進展などの長期的な影響だけでなく、就職を希望している労働者の幻滅も反映している可能性がある。

インフレ率はFOMCの長期目標である2%を下回り続けている。FOMCは、インフレが継続的に目標を下回り続けることは経済動向へのリスクとなる可能性があると認識している。インフレが目標に向け再び上昇するとの証拠を得るために、動向を注意深く見守っている。

<国債・MBSの縮小規模に関する決定>

国債とモーゲージ担保証券(MBS)の縮小規模について協議した。同等、もしくはほぼ同等の縮小がより簡潔な方法というのが、FOMC内の全般的な意見だと思う。正直なところ、最終的には保有規模の点で大きな差はない。そのため、これが我々の戦略となる。

<失業率の数値基準>

失業率は労働市場に関する優れた指標だ。単一の指標としてはおそらく最も優れており、より広範な他の労働市場指標に目を向け始める段階として6.5%の水準に数値基準を設定したことに満足している。

だが失業率だけに注目したくないからこそ、6.5%の水準に達したら、採用、離職状況や長期失業率、賃金などを考慮したい。別の具体的な失業率基準を設定することはできない。

<データ依存の姿勢を維持>

(初めの緩和規模は100億ドルだったが、)われわれは引き続きさらなる穏当な措置を取るとあらためて表明する。ただ、今後われわれが実施する措置は、データに左右されるとあらためて強調したい。

<イエレン副議長>

イエレン氏とは、次期議長候補に指名される前から緊密に意見を交わしてきており、今回の決定についても緊密に協議した。イエレン氏はわれわれの本日の措置を全面的に支持している。

<数値基準は引き金ではない>

これらの数値基準は引き金ではないと強調してきた。基準を超えても自動的に利上げにつながるわけではなく、全般的な経済見通しが利上げを正当化するかどうかについて、米連邦公開市場委員会(FOMC)が検討することが適切ということを示唆しているにすぎない。FOMC参加者の多くが失業率は2014年末までに6.5%の水準に低下すると見込んでいることから、基準を超えた際に政策がどう変化すると見込んでいるのか追加情報の提供をFOMCは決定した。

<債券買い入れ額の一段の縮小>

今後入手される情報で、目標に向かって一段と進展するとのFOMCの予想が裏付けられれば、FOMCは将来の会合で毎月の買い入れペースをさらなる慎重な措置を通して縮小する可能性がある。

ただそのプロセスは、用意周到でデータに左右されるものとなる。資産買い入れはあらかじめ決められた路線に乗っているわけではない。

<今後の緩和縮小ペース>

インフレ、および継続的な雇用増加の面で前進が見られれば、おそらく各会合で慎重な縮小を続けると予想する。来年半ばではなく、年終盤までかかるだろう。何らかの理由で経済が減速、もしくは経済状況に失望するような事態になれば、数回の会合で縮小を見送ることも可能だ。逆に景気がかなり勢いを増した場合、縮小ペースを速めることもできる。だが2014年の大半において今回のような慎重な縮小を行うと予想する。

<債券買い入れ縮小決定>

本日の政策決定は、経済は進展し続けているものの、正常な状態になったとの判断を下せるまでまだ道のりは長いとのFOMCの見解を反映したものだ。

特に財政面での大きな向かい風があるにもかかわらず、経済は緩やかなペースで拡大してきた。非常に緩和的な金融政策と財政の足かせの影響低減により、成長は今後の数四半期で幾分上向くとわれわれは予想している。

<FRBの危機対応>

FRBも私も危機を認識するのが遅かった。事前の回避が可能だったか、もっとできることがあったのか、それは別の問題だ。私が議長に就任したのは2006年で、すでに住宅価格は下落していた。住宅ローンの大半は設定済みだったが、事前に状況を認識し、もっと予防的な行動が取れたらよかったことは明らかだ。ただわれわれは、FRBによる金融市場の監視機能強化、経済と金融システムの安定化にとって考えられる、あらゆることを行った。今後は、私が議長に就任した2006年当時よりもこうした事態に備えることができるだろう。

<FRBの独立性>

短期的な政治の介入なしに政策決定ができるよう、FRBの独立性の維持が重要だ。同時に、FRBの仕組みや責務を決定するのは議会であり、これは完全に法に則している。われわれは積極的に個々のアプローチの是非について説明する必要がある。

<数値基準とガイダンス>

非常に短期的には変更を予想していない。どの程度の緩和があり、それが十分かどうか、経済が成長を続けインフレが予想通り目標に向かって上昇しているかどうか見極めたい。

ただ、できることもある。FRBはさまざまな方法でガイダンスを強化することが可能であり、FOMCは、失業率の数値基準とインフレの双方の要素を組み込んだ定性的なアプローチが今後の道として現時点では最善とみているが、一段の強化も可能と考えており、その可能性は決して排除していない。

<FRBのバランスシート>

(本日の措置が)引き締めを意図するものではないということをあらためて表明したい。インフレの問題があるとはFRBは考えていない。(月次の資産買い入れ額を減らす)一方で、買い入れは今後も継続し、バランスシートを引き続き拡大して行く。また、失業率が6.5%を下回った後もかなりの間、低金利を維持する方針を示し、ガイダンスを明確にした。

本日の措置は緩和の水準を全体として維持し、経済を後押しすることを目的としている。

<米財政政策>

多くのさらなる取り組みが当然必要だが、9月や10月、あるいは1月の財政の崖の時期と比べると状況は間違いなく改善している。たとえ今回のような小規模な結果でも、議会指導者が協力すれば信頼感にとってプラスとなるだろう。議会指導者が協力的に取り組み、一定の進展を遂げているのは好ましいことだ。

<失業給付>

失業給付の延長終了が、経済全体に量的に及ぼす影響は、おそらくそれほど大きくないだろう。2つの方向に作用するからだ。

給付は、一方では所得拡大につながり、所得が支出に充てられる。失業給付を受けている人が、所得のかなりの部分を使う傾向があることは明らかだ。これは経済成長にプラスに働く。

他方で、失業給付の資格が切れる人の一部は、おそらく労働市場から撤退することになり、ある意味で誤った理由ではあるが、失業率が低下することになる。したがって全体としては、測定される失業率に非常に小さな影響を与える可能性がある。

ただ、この問題は経済全体への影響という観点ではなく、最も直接的な影響を受ける人々への影響という観点で議論すべき問題だと考えている。

<銀行へのストレステスト>

平常時の業務遂行だけでなく、経済が大幅に落ち込み、金融の状況が大きく悪化した場合にも対応できる十分な資本を有しているかを調べるストレステストは、主要な新機軸のひとつだ。私はこれに非常に満足している。

困難な状況に対処する銀行の能力やリスクを判断する能力を調べる上で非常に重要なものだと考える。リスクの度合いを計ることは危機に向う中で極めて不十分だった。

<資産バブル>

資産買い入れが特定の市場でバブルのような価格形成につながったか、過度のレバレッジやリスク行動を引き起こしたかについては、システムを脅かすほどの規模ではなかったと考えている。ただ、夏に見られたようなポジションの巻き戻しは、特に金利市場で一定の混乱を生む可能性がある。

われわれの基本的な方針は、何よりもまず銀行システムと金融システムができる限り強固であるよう務めることで問題に対応しようというものだ。銀行が高水準の資本を維持していれば損失に耐えることができる。

*内容を追加して再送します。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up