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12月米雇用統計:識者はこうみる

[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が10日発表した12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比7万4000人増と、市場予想の19万6000人増を大きく下回り、2011年1月以来約3年ぶりの小幅な伸びにとどまった。

1月10日、12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比7万4000人増と、約3年ぶりの小幅な伸びにとどまった。写真はワシントンの就職フェア会場で2013年6月撮影(2014年 ロイター/Jonathan Ernst)

12月の失業率は6.7%に改善した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●天候影響した公算、FRBは現状路線維持

<LPLフィナンシャルの投資ストラテジスト兼エコノミスト、ジョン・カナリ氏>

建設業は大幅減、輸送も1000人減少しており、天候が影響したもようだ。市場は失業率の低下と前月分の上方修正に注目するだろう。

米連邦準備理事会(FRB)も12月の雇用統計を天候要因と判断すると思う。その良し悪しにかかわらず、単月のデータで考えを変えることはない。現状路線を維持するだろう。

●長期的には景気改善は継続

<ロックウェル・セキュリティーズの首席市場アナリスト、ウェイン・カウフマン氏>

今回の統計は確かに失望する内容だが、弱含んだ背景には季節要因が存在する可能性がある。ADP民間雇用者数を受けて期待が高まっていただけに、額面どおりに受け止めればとても失望を誘うものだ。

ただ、より長期の視点では、景気は引き続き改善しつつあり、(米国債)利回りは急低下したが、株価指数先物は大きく下落しなかった。株式には好材料だろう。

連邦準備理事会(FRB)は現在、難しい局面に立たされている。債券買い入れの終了を切望しているが、今回の統計を受けて見立てが変わる可能性もある。

●一時的な動きの公算、株への強気な見方変わらず

<サーハン・キャピタルの最高経営責任者(CEO)、アダム・サーハン氏>

非農業部門雇用者数の伸びは明らかに失望を誘った。経済が過去数カ月間、一時的に勢いを増したが今は収まっているのか、(今回の統計は)一時的な動きなのか。他の一部指標を踏まえると、一時的な可能性がより高いとみている。

米連邦準備理事会(FRB)は必要があれば、量的緩和(QE)を再び拡大する方針を明確にしている。今回(の統計)はその実現につながる1つの材料になるとみている。

いずれにせよ短期では株式相場に強気な見方が広がっており、株式市場から投資資金を撤退させる動きにはならないだろう。状況が鈍化してFRBが介入すれば、好材料だ。景気が堅調さを増せばそれも好ましい。

●回復見通しに疑問符、緩和縮小はデータ次第に

<ダブルライン・キャピタルのグローバルデベロップトクレジット責任者、ボニー・バハ氏>

驚くほど弱い数字だ。経済が今後順調に上向くとの市場の観測に疑問符がついた格好で、今後の米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小は、見通しではなく、データに左右されるということをあらためて認識させられる。

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