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米FOMC、債券購入を650億ドルに縮小:識者はこうみる

[ワシントン/東京 29日 ロイター]米連邦準備理事会(FRB)は29日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、2月から債券購入額を月額で100億ドル減らして、計650億ドルにすると発表した

1月29日、米FRBはFOMC後の声明で、2月から債券購入額を月額で100億ドル減らして、計650億ドルにすると発表した。写真はワシントンのFRBで2013年7月撮影(2014年 ロイター/Jonathan Ernst)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●予想通り、年末以降のマネー逆流に警戒

<SMBC日興証券・金融財政アナリスト 末澤豪謙氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入額の100億ドル縮小を決めたことは予想通り。緩和縮小(テーパリング)を決定した昨年12月以降、毎回100億ドルの債券購入額を減らして出口戦略に向かうというシナリオに沿った動きだ。

新興国問題がふらついているが、現時点で大きな懸念を持っていない。ストックベースでFRBの債券購入額が増え続けているためだ。現在は思惑先行の印象が強い。しかし、ストックベースの残高が減少に転じる年末以降は、新興国からのマネー逆流が本格化する可能性がある。新興国経済はまさに正念場を迎えるだろう。

前日の米国市場は円高・株安・債券高。きょうの円債市場は買われて取引が始まるだろう。2月─3月にかけては東京都知事選、米債務上限問題の議論など日米でイベントが目白押しで、株高トレンドが小休止になりやすい。

●緩和縮小停止の壁高い、新興国不安重要視せず

<LPLフィナンシャルの投資ストラテジスト兼エコノミスト、ジョン・カナリ氏>

米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小の停止ボタンを押すにはかなり高いハードルがある。最近の市場の混乱も、このハードルを越えることはなかった。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明には、新興国に関する言及はほぼ全くないため、流動性などの面で新興国の状況がかなり悪化しなければ、FRBは緩和縮小を中断することはない。絆創膏を剥がして状況を見守るのが最善との判断に至ったのだろう。

市場が懸念したのは、FRBが新興国市場の状況には注意を払わず緩和縮小を継続しているのではないかという点だ。

もちろんこれは誤りで、3週間後に公表される議事録では、FRBが新興国の状況を注視していたことが明らかになるだろう。ただFRBにとり、声明文で言及する必要もないほど重要度としては低かった。

そのため、市場はFRBは状況を理解しておらず、FRBが考えているよりも大きな問題だと懸念した可能性がある。

●失業率6.5%はもはや基準ではない

<ウエルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの首席投資責任者、ジョン・リンチ氏>

FOMCの決定を受け、流動性低下をめぐる懸念から株が売られる反面、債券相場はあたかも追加買い入れが実施されるかのような上昇ぶりだ。市場では混乱や懸念が入り混じっているもようだ。

FOMC声明からは、FRBがこうした懸念を和らげることに尽力しようとしている様子がうかがえる。

われわれはFRBが債券購入額を新たに月額100億ドル縮小することを見込んでいた。それでも650億ドル(の債券購入)は極めて大きな額だ。

FRBは経済成長や消費に関し率直な見解を示し、金利が長期間現水準にとどまることも明確にした。利上げの目安となる失業率6.5%はもはや数値基準ではないようにみえる。

●3月もさらに100億ドル縮小へ

<ルネサンス・マクロリサーチ(ニューヨーク)の米経済部長、ニール・ドゥッタ氏>

今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明にはまったく驚きがなかった。今後、米連邦準備理事会(FRB)は次回3月のFOMC会合までの期間、新興国市場の動向が米経済に及ぼす影響に目を光らせていくことになるだろう。

新興国市場の金融状況には一部ひっ迫の動きも見られるものの、それによってFRBがずっと不安に陥ることはない見通しで、実際に足元でもFRBはこの問題をほぼ静観している状態だ。したがって金融市場によほどの混乱が起きないかぎり、3月のFOMCではさらに月額100億ドルの追加縮小が行われると予想する。

●QEでバブル発生の恐れ、縮小継続で将来のリスク低減

<ING米国インベストメント・マネジメントの首席市場ストラテジスト、ダグ・コテ氏>

米連邦準備理事会(FRB)が市場の乱高下を理由に(緩和縮小プロセスに)干渉していたら、危険な前例を作るところだった。

量的緩和(QE)はバブル発生の恐れを生み出していた。緩和縮小を継続することで、FRBは将来的なリスクを縮小している。将来的にバブルが崩壊するよりも、現時点で調整が入る方が望ましい。

FRBは手を引くことで、市場にバトンを返そうとしている。市場の正常化は歓迎すべきことだ。

●米国が改善している限り緩和縮小継続へ

<カトラー・インベストメント・カウンセルの債券ディレクター、ハビエル・アーピ氏>

トルコやアルゼンチンなどが通貨急落の危機に直面しているものの、少なくとも米国での状況が安定、もしくは改善している限り、FRBは緩和縮小を継続していくと考える。

●年内にQE終了させるとのFRBの決意継続

<ウエストウッド・キャピタルのマネジング・パートナー、ダニエル・アルパート氏>

米連邦準備理事会(FRB)のこの日の決定は、2014年中に量的緩和第3弾(QE3)を終わらせるとのFRBの強い意志が継続していることを示している。

QE3はここしばらくは実体経済の大きな支援にはなっていないうえに、金融経済のプライシングが歪められ、恩恵はほんの一握りのトレーダーのみが享受する状態になっている。QE3の賞味期限はもう切れている。

世界的に経済成長が停滞しているものの、FRBができるだけ速やかにQE3を終了させることは適切だ。

●最近の弱い統計でも景気見通し変わらず

<BNYメロンの首席通貨ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏>

米連邦準備理事会(FRB)が今回の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和縮小を見送る可能性がわずかながらあった。だが声明文からは、(12月の雇用統計で)非農業部門雇用者数の伸びが大幅に鈍化したことについて懸念していないことがうかがえる。

消費動向も、昨年終盤から1月に入っても続いている政策の不透明性による影響を引き続き受けていない。

市場にとっては、米景気見通しがこのところの弱い経済指標による打撃を受けていないと安心できる。

*内容を追加して再送します。

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