[ニューヨーク 11日 ロイター] -11日終盤のニューヨーク外為市場では、世界的な株安を受け、安全資産としてのドルが買われた。前日に続きこの日も米株価が下落したことでリスク選好度が低下、新興国通貨や高金利通貨が売られる展開となった。
シティFXのG10外為戦略部門のグローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏は、「世界にとっての悪いニュースはドル押し上げ要因となる」とし、「株式市場に関する懸念が高まったことを受け、保守的な傾向が強まり、ドル買いにつながった」と述べた。
ただ、この日のドルの上昇は一時的なものとの見方も出ている。
終盤の取引で、ドル指数.DXYは0.1%高の79.470。ただ、週初からは1.2%下げており、1週間の下落としては約7カ月ぶりの大きさとなった。
ユーロ/ドルは横ばいの1.3885ドル。だた、週初からの上昇率は前年9月以来最大となった。
ドル/円も横ばいの101.52円。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始がまだ先のことになるとの見通しが広がったことで、前週4日からの下落率は2.5%に達した。
一方、新興国通貨、および高利回り通貨は対ドルで下落。南アフリカランドは0.5%安の10.4720ランド、豪ドルは0.2%安の0.9397米ドルとなった。
年初の時点では、米景気回復と米連邦準備理事会(FRB)による緩和縮小を受け、ドルは上昇するとの見方が出ていた。ただその後、こうした見方は後退。9日に公表された3月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、FRBの利上げ開始予想が2015年第1・四半期から同年下半期に後ずれするとの見方が台頭したことで、ドルに対する圧迫が強まった。
ただ、USバンク・ウエルス・マネジメントのフィクスト・インカム調査部門責任者、ジェニファー・バイル氏は、FRBの利上げ開始時期の予想は2015年の年央から変えていないとしている。
ドル/円 終値 101.66/68
始値 101.44/45
前営業日終値 101.53/55
ユーロ/ドル 終値 1.3882/87
始値 1.3872/73
前営業日終値 1.3886/88
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」