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為替こうみる:ボラ急騰、「ユーロバブル」崩壊の可能性=ドイツ証券 深谷氏

 <ドイツ証券シニア為替ストラテジスト 深谷幸司氏>

 為替市場では、最もメジャーな通貨ペアであるユーロ/ドルのボラティリティが急激に上昇している。1カ月物オプションの予想変動率(インプライド・ボラティリティ)のレベルは足元13%近くに達している。3月中旬のベアー・スターンズ救済直前の水準12.8%を上回ってきた。つまり、ユーロ/ドルのボラティリティでみる限り、流動性低下は3月の危機のレベルに達しているようにみえる。

 当時との大きな違いは、同じボラティリティ上昇でも、3月がドル急落リスクに起因していたのに対し、現在はユーロ急落に起因しているという点だろう。あるいは、足元の為替市場の流動性低下は、3月のような、カウンターパーティーリスクによるというよりも、最大の通貨ペアであるユーロ/ドルの急落、ドルインデックスの急反発、ボラティリティの急騰によって引き起こされているといえそうだ。

 本邦では、ドル安リスクが喧伝されてはいるものの、むしろグローバルにみればユーロ安/ドル高リスクが警戒されている状況ではないか。一時は「ドル安阻止」「ドル買い介入」が話題に上っていたが、目先の状況は全く正反対になりつつあると思う。ユーロ反落/ドル反発が、市場の流動性を大幅に低下させ、プライスアクションによる為替市場でのリスクポジション構築を阻害している。ユーロ/ドルは、もはや逆にユーロの買い手、ドルの売り手がそれぞれ乏しい状況になりつつあるのではないか。

 すでに外貨準備をユーロからドルにシフトする動きもみられるなか、足元では、むしろユーロのメルトダウンを警戒すべき状況のように思われる。2003年以降長きにわたる「ユーロ高バブル」の崩壊が始まった可能性も視野に入れる必要があるのかもしれない。皮肉にも、米政府系住宅金融機関(GSE)救済によるドルに対する安心感の醸成は、そうした動きを加速する可能性すらある。

 (東京 9日 ロイター)

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