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MS&ADが気候変動の影響開示、保有する株や債券に変動リスク

 8月31日、MS&ADホールディングスは気候変動リスクが自社の財務に与える具体的な影響を盛り込んだ報告書を公表し、世界的に温暖化対策が進むことによって投資先企業の費用負担が増え、保有する株式や債券の価格が変動するリスクがあることなどを示した。写真は台風が近づく都内で2018年8月撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 31日 ロイター] - MS&ADホールディングスは気候変動リスクが自社の財務に与える具体的な影響を盛り込んだ報告書を公表し、世界的に温暖化対策が進むことによって投資先企業の費用負担が増え、保有する株式や債券の価格が変動するリスクがあることなどを示した。

報告書は炭素の排出量に応じて企業に金銭的負担を求める「カーボンプライシング」が導入されつつあることを踏まえ、投資先企業がどれだけ負担に耐えられるかを算出した。

将来の負担増加分を、企業の現在の利益で割ったもので、1)2100年までの気温上昇を2度未満に抑えるパリ協定の目標を達成する政策が実行された場合、2)2度未満に抑える政策の実行が遅れる場合、3)気温上昇が3度程度となる場合──の3つのシナリオに分けた。

数字が大きいほど負担が大きく、MS&ADの2020年3月末の投資ポートフォリオで50年時点を分析すると、株式では1)と2)のシナリオで約35%、3)で約9%。社債では1)と2)で約57%、3)で約16%となった。

投資先が脱炭素を進めるにつれて負担する費用が減るため、MS&ADは投資先との対話を通じ、ポートフォリオへの影響緩和を図っていくとしている。

気候変動リスクが自社の財務にどの程度影響するのか、保険業界では具体的な数値の開示が進んでおらず、日本の損保が先行している。27日にはSOMPOホールディングスが開示した。

MS&ADはこれまでも気候変動の情報開示を進めてきたが、今回の報告書は初めて「TCFDレポート」として公表。金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の推奨に基づいて構成し、開示内容を大幅に拡充した。自然災害がもたらす保険引き受けへの影響については、今年5月の説明会で開示していた。

(和田崇彦)

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