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コラム

コラム:マスク氏、ツイッター買収「撤回」なら50億ドルか

[ニューヨーク 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] - どんな人にも「相場」というものがある。米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の場合、その額は50億ドルかもしれない。ツイッターを総額440億ドルで買収する合意から手を引くために支払える額の相場だ。合意を白紙に戻せば、両社は長引く法廷闘争と、さらなる混乱を回避することができる。

 5月20日、どんな人にも「相場」というものがある。米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(写真右)の場合、その額は50億ドルかもしれない。写真は4月撮影のイメージ(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

ツイッターは表面上、マスク氏に買収合意の約束を守らせたいというスタンスかもしれない。実際、マスク氏が計画を一時保留したいという考えを再び示した時、ツイッターはそう表明した。しかし、マスク氏が強硬な態度に出れば、法廷で闘わざるを得なくなる恐れがある。訴訟にはコストがかかるし、乗り気でない買い手は、いずれにせよ理想的なパートナーではない。

しかも、ツイッターのアグラワルCEOには経営すべき事業があるというのに、マスク氏に同社の潜在的な問題を指摘されたことで既に厄介な状況に見舞われている。壊れてしまった合意を引き延ばしてツイッターの経営に影響が出れば、経営陣を何十年も悩ませる事態になりかねない。

マスク氏側もツイッター買収の合意以来、かなりの資産を失った。テスラはわずか数週間で時価総額が約3900億ドルも吹き飛んだ。マスク氏はテスラ株の一部をツイッターの買収資金に充てており、株価下落は二重の痛手だ。

さらにマスク氏は20日、2016年にプライベートジェット機で客室乗務員にセクハラをしたとの報道を否定する事態にもなっている。

現時点では、ツイッターとテスラが買収合意の撤回で合意する方が、良い方策であるように見える。ツイッターの株価はマスク氏が同社株取得を公表して以降、下落している。合意が撤回され、ツイッターの株価がナスダック総合指数に緩やかに追随するとしよう。その場合、ツイッターの時価総額は、マスク氏がツイッター株を保有する前と比べて50億ドルほど減る計算になる。

マスク氏がツイッター株を保有し続ければ、同社はマスク氏を完全に排除することはできない。だが、マスク氏の支払いは、特別配当や保有現金の強化に回すことができる。マスク氏は違約金として定められた10億ドルを超える金額を払ってでも、自分がバッシングしている企業と手を切るのにやぶさかでないかもしれない。両社は妥当な相場で手を打つことで、ともに困難な事態を抜け出すことが可能なのだ。

●背景となるニュース

*マスク氏は13日、ツイッターの買収について、偽アカウントに関する追加的なデータが得られるまで一時的に保留にしたとの考えを明らかにした。また、その数日後、利用者に占める偽アカウントの割合が5%より少ないという証拠をアグラワルCEOが示すまで買収を進めないと述べた。

*ツイッターは声明で「今回の案件を成立させ、合併合意を実行する」意向を示した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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