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情報BOX:ミャンマーのクーデター、国軍の主張や背景

[1日 ロイター] - ミャンマーで1日朝、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と国民民主連盟(NLD)高官らが拘束された。NLD報道官が発表した。

 2月1日、ミャンマーでアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相と国民民主連盟(NLD)高官らが拘束された。NLD報道官が発表した。写真は、東京で行われたミャンマーのクーデターに抗議する集会で、スー・チー氏の肖像を掲げる集会参加者(2021年 ロイター/Issei Kato)

国軍は先週、NLDが圧勝した昨年11月の総選挙で不正があったとして「行動を起こす」可能性を示していたため、クーデターへの懸念が広がっていた。

スー・チー氏が率いるNLDは、11月8日の総選挙で対象議席の83%を獲得した。選挙はNLD政権への支持を問う国民投票代わりと見なされていた。

<ミャンマーの統治者はだれか>

ノーベル平和賞受賞者であるスー・チー氏(75)は、2015年の総選挙で地滑り的勝利を収めたことで、政権を事実上主導する立場になった。同氏は民主化を求める闘いにより長年自宅軟禁され、世界で尊敬を集める存在となっていた。

ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの武装勢力と治安部隊が17年に衝突したのをきっかけに、何十万人ものロヒンギャが国外脱出し、難民となっている問題が深刻化。スー・チー氏の国際的評価は傷ついた。それでも国内では今も圧倒的な人気を維持している。

「ミャンマー軍」と呼ばれる国軍は、08年の新憲法と民政移管の立役者でもあり、自らを国の結束と同憲法の守り手と見なしている。政治体制で軍が恒久的な役割を果たす仕組みも制度化した。国軍は上下両院それぞれで議席の25%を軍人枠として確保。国防省、内務省、国境省を支配し、重要な政治的地位を築いている。

<軍はなぜ11月の総選挙に異を唱えたか>

国軍は、多くの選挙区で重複登録があったなどと訴えており、苦情に対する選挙管理委員会の対応にも不満を示した。主張している「不正」が選挙結果を覆すほどの規模だったか否かについては言及していない。

11年の民政移管完了まで与党だった国軍系の連邦団結発展党(USDP)も、同様の不満を訴えている。USDPは軍の代理組織と見なされているが、11月の選挙では476の議席中33議席しか獲得できず、屈辱を味わった。

<NLDや他党は総選挙にどう反応したか>

スー・チー氏は、自らが率いるNLDの勝利および国軍の苦情について発言していない。ただNLDは、国軍の主張に根拠は無く、選挙に不備があったとしても結果は変わらなかったとしている。

選挙戦を戦った90以上の政党のうち、少なくとも17党が主に軽微な不備があったと不満を訴えている。USDP以外はすべて弱小政党。選挙の監視責任者らは、投票に大きな不備は無かったとしている。

同委員会は今年1月28日、不正に相当するほどの規模の、あるいは選挙結果が覆るほどの規模の不備はなかったと表明した。

<国軍の主張は>

国軍のゾー・ミン・トゥン報道官は先週、選挙不正を訴える記者会見を開いた。報道官は、軍が「行動を起こす」だろうと述べ、最高裁を含むあらゆる選択肢を行使するとした。軍が新政権や新議会と協力するかとの質問に対しては、「静観する」と述べていた。

クーデターの可能性を排除するか、との質問には「そうは言えない」と答えていた。

国軍は1月30日、憲法を順守し、法に従って行動すると表明していた。

<憲法の規定は>

憲法は、「結束の崩壊、国家団結の崩壊、国家主権の喪失」を招きかねない極端な状況に限って総司令官が政権を掌握すると規定。あくまでも緊急事態中に限った措置と規定。緊急事態を宣言できるのは文民の大統領だけと定めている。

国軍のミン・アウン・フライン総司令官は先週、軍のメンバーに対し、憲法たるものは「すべての法律の母なる法」であり、順守されないなら無効とすべきだと述べて関心を集めた。フライン氏はミャンマーでそうした事態が起こった過去の事例を挙げていた。

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